2018.08.29
清水建設(株)<社長 井上和幸>は、当社の100%子会社である清水建設(中国)有限公司の上海オフィスの移転を機に、従業員の健康増進、福利厚生の充実を目的に、WELL認証の取得を意図した改修を移転先のオフィスに施し、このほど同認証を取得しました。
WELL認証は、建物空間のデザイン・構築・運用に「人間の健康」という視点を加え、建物環境を評価するシステムです。空気、水、栄養、光、フィットネス、快適性、心の7領域・100項目を以て建物・室内環境を評価し、レベルに応じてプラチナ、ゴールド、シルバーの認証を付与します。
清水建設(中国)有限公司の新たなオフィスは、浦東地区に位置する新築ビル「前灘世貿中心1期」の20階のワンフロア1,580㎡です。WELL認証機関による評価の結果、「WELL v1 インテリア シルバー」を取得しました。
改修工事にあたっては、空気、水、光の3つの評価領域に対応しました。まず空気については、室内のCO2やVOC(揮発性有機化合物)、PM2.5他の濃度を認証基準内に維持するための換気設備や建築材料・家具、空調用のフィルターを整備するとともに、工事に伴う粉塵等が階段室を伝って上下階に漏れ出さないように工事区域を区画しました。水については、有機・農業汚染物質等のWELL基準水質を満足させる水道水のろ過・浄化設備等を導入。光については、太陽光と人工光を組み合わせ、睡眠と覚醒のサイクルを整えるサーカディアン照明を採用しました。
一方、オフィスの使用開始後、健康に良い食生活の促進、マラソン・自転車大会等の開催、従業員への参加の動機付け、人間工学的(エルゴノミクス)に快適・安全なデスク・椅子・パソコンスタンドの採用、健康関連のライブラリコーナー、チャリティ活動、ファミリーディの開催等を通じ、残る4つの評価領域である栄養、フィットネス、快適性と心に対応。改修工事と併せてWELL認証の36の必須項目をクリアし、WELL認証の内装部門のシルバー相当という評価を得ました。なお、このオフィスは、WELL認証に先立ち、LEED認証のv4 インテリアのゴールドも取得しています。
当社は、「eco(建物の省エネ機能)」と「BCP(事業継続機能)」、そしてWELL認証の取得支援を含めた「ウェルネス(健康・快適環境)」をセットにしたソリューションを展開し、付加価値の高い建物の受注につなげていく考えです。
以上
≪参 考≫
WELL認証の補足
WELL認証に準拠した建物・室内環境にすることにより、従業員の健康増進、知的生産性の向上、ひいては優秀な人材獲得、離職率の低下等の効果が期待されます。2014年の認証開始以来、認証登録件数は急拡大しており、米国を中心に現在までに109件が認証され、34か国、840件が認証申請中。今後、WELL認証の取得を目的にした建替えや改修工事需要が見込まれています。
清水建設(中国)有限公司のオフィスの様子(前灘世貿中心1期20階)
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