スリム耐火ウッド柱が2時間耐火認定を取得

~鉄骨梁・柱の接合架構の耐火性能も独自に実証~

  • 建築技術

2018.05.24

清水建設(株)<社長 井上和幸>はこのほど、菊水化学工業(株)と共同開発した優れた耐火性能を備えたスリムな木質柱「スリム耐火ウッド」の2時間耐火仕様について、その信頼性を証する国土交通大臣認定を取得しました。併せて、スリム耐火ウッド柱と鉄骨梁を接合した木質ハイブリッド架構「シミズハイウッド」の2時間の耐火性能も独自に実施した耐火実験により確認しました。

一般的な木質耐火柱は、建物荷重を支える柱中心の木材部「芯材」、芯材への延焼を防止する耐火材料部「燃え止まり層」、柱表面の木材部「燃えしろ層(化粧材)」で構成されます。スリム耐火ウッドでは、燃え止まり層を耐火シートと強化石膏ボードの異種材料を組み合わせて、二重の燃え止まり層を形成。火災時の加熱により薄い耐火シートが発泡する断熱効果と強化石膏ボードによる吸熱・断熱効果、さらには耐火材料の弱点となるジョイント(目地)の位置を二重の燃え止まり層間でずらすことにより、耐火材料部の層厚を抑えつつ高い耐火性能を確保しています。

2時間耐火認定を取得した仕様は、二枚重ねの強化石膏ボードと耐火シートで構成する層厚55㎜の燃え止まり層、柱外周を覆う層厚15㎜の燃えしろ層で芯材を覆い、入射熱が大きくなる芯材の隅角部については面取りして(角部を削り取り)、石膏ボード(石膏系材料)を装填するというものです。

耐火認定試験では、2時間耐火仕様を施した70㎝角、長さ3.5m(加熱部分3m)の試験体を耐火炉の中で加熱。炉内温度が所定の1,050℃に達するまで2時間加熱した後、さらに約6時間に亘って芯材表面の温度を計測した結果、最高到達温度は、木材が炭化する危険温度260℃の半分程度である110℃以下に収まりました。加熱終了後、燃え止まり層を芯材から剥離させ、芯材表面の炭化の有無を確認しましたが、炭化した形跡は一切なく、2時間の耐火性能を備えていることを実証できました。

また、今回、木質ハイブリッド架構「シミズハイウッド」の柱・梁接合部材の熱伝導性についても独自に実施した耐火実験で確認。鉄骨梁が火災で熱せられても、RC接合部材を介することにより木質柱の芯材に悪影響を及ぼすような熱伝導を抑制できることを確認しました。具体的には、鉄骨梁、RC接合部材、木質柱を2時間で炉内温度が1,050℃になるまで熱し、加熱を停止した後も計測を続けました。その結果、鉄骨梁は最大500℃程度になったものの、RC部の吸熱効果により、RC接合部材と木質柱との境界の芯材表面温度は100℃を超えることはありませんでした。

スリム耐火ウッドは、今回の2時間耐火認定の取得により、最大14階建ての建築物の木質柱として使用可能となりました。また、耐火性能に加え、燃えしろ層と燃え止まり層を合わせた被覆層が競合製品の最薄手より20%程度スリムになり、すっきりした空間を提供できるというメリットも備えています。当社は今後、スリム耐火ウッドの採用を中高層の耐火建築物の事務所や商業施設、学校等に対して提案していくとともに、近くスリム耐火ウッドの柱・梁を採用した木質耐火構造の集合住宅に着工する予定で設計に着手しています。併せて、木質耐火部材の適用範囲を拡大するために、CLT(Cross Laminated Timber:直交集成材)を用いた木質耐火床等の開発にも取り組みます。

以上

≪参考≫

菊水化学工業株式会社

所 在 地 名古屋市中区錦2丁目19番25号 日本生命広小路ビル
TEL(052)300-2222(代)
創  業 1959(昭和34)年5月21日
社  長 山口 均
資 本 金 1,972百万円
事業内容 特殊機能性材料・建築仕上材の製造・販売
建築、土木材料、機械器具の製造販売

シミズハイウッド

プレキャストのRC接合部材を介して、木質構造とRC造、あるいはS造といった異なる構造の柱同士や柱・梁を接合・一体化する。RC接合部材には柱・梁の構造に適した連結用仕口を設ける。例えば、上下層の木質柱の接合では、木質柱の両端に定着している鉄筋(主筋)を接合部材に設けた挿入孔に上下層から受け入れ、双方を機械式継手で連結したうえでモルタルを充填。RC接合部材と木質梁、あるいは鉄骨梁との連結では、RC接合部の側部に設置するガセットプレート等の連結用仕口を介して一体化する。

シミズハイウッド

2時間耐火木質柱の認定試験時の写真

2時間耐火木質柱の認定試験時の写真

スリム耐火ウッドの構成

スリム耐火ウッドの構成図

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