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特定天井向けの落下防止対策「フェイルサポート工法」を開発

~既存吊り天井の後付け改修工法に新メニューを追加~

  • ストックマネジメント
  • 耐震

2017.11.28

清水建設(株)<社長 井上和幸>はこのほど、特定天井向けの耐震改修工法として、既存天井の直下に、構造体に接合されたサポート材とネットを取り付け、吊り天井の落下防止を図る「フェイルサポート工法」を開発しました。特長は、既存天井の部分解体を最小限に抑えることができ、工事期間中も施設の継続使用が可能なこと、既存天井を全面撤去して耐震天井を新設する従来手法と比べ、短工期・低コストで施工できることです。本工法は、既存吊り天井の後付け改修工法として、先に開発したグリッドサポート工法と併せて、一般財団法人日本建築総合試験所(GBRC)の建築技術性能証明を取得しています。

フェイルサポート工法は、既存天井を残したまま地震後の施設の機能維持を図る耐震改修工法で、鋼材のグリッド枠で既存吊り天井を室内側から支えるグリッドサポート工法をベースに開発したものです。グリッドサポート工法は一般天井向けの耐震改修工法ですが、フェイルサポート工法は、万一、天井が脱落した際にも天井の自重を支持する落下防止機構を備えた特定天井向けの耐震改修工法です。特定天井とは、脱落によって重大な危害を生じるおそれがあるもので、「6m超の高さにある、水平投影面積200m2超、単位面積質量2kg/m2超の吊り天井で、人が日常利用する場所に設置されているもの」と規定されています。

フェイルサポート工法は、天井外周部に、建物の構造体と一体化させた構造部材を設置し、天井下面に配置した格子状のサポート材と緊結することで、地震時の天井面の変位を抑制します。併せて、サポート材と天井面の間に挟み込み一体的にビス留めした高強度繊維素材ネットにより、万一の天井脱落時にも、その状態で天井部材を支持し続け、落下を防止します。改修工事に伴う天井の解体範囲を外周部の幅1m程度のスペースに限定できるため、施設利用を継続したまま施工することができ、廃材の発生量も抑制できます。

公的機関の建築技術性能証明を取得したフェイルサポート工法、グリッドサポート工法は、適用時の確認申請手続きが簡素化され、全体工期の短縮が見込めます。当社は今後、工事期間中の営業休止を回避できる改修工法が求められる24時間稼働の生産施設や、地震発生後の機能維持が求められる防災拠点などの施設を中心に、両工法の採用提案を進めていく考えです。

以上

≪参 考≫

フェイルサポート工法全体図

特定天井の落下防止措置

  • 天井材の落下による衝撃が作用しても脱落・破断しないことが確かめられた部材(ネット、ワイヤ、ロープ等)を設置することで、天井の落下を防止する措置。
  • 建築物に特定天井を新設する場合には、適切なブレースの配置や、天井周囲のクリアランスの確保など、国土交通省が定める技術基準(平成25年国土交通省告示第771号)に基づき、構造耐力上の安全性を担保することが求められます。
  • 既存の特定天井については、確認申請手続きを伴う増築・改築時に技術基準への適合が求められますが、増築・改築部分の天井と構造的に分離しているものについては、落下防止措置で代替することが認められています。

グリッドサポート工法

  • 鋼材のグリッド枠で既存吊り天井を室内側から支える耐震改修工法。使用部材は、グリッド枠を構成する溝形鋼、鋼材と建物の躯体とを一体化させる端部構造部材の2種類です。
  • 施工に際しては、まず、天井外周部を解体して幅1m程度のスペースをつくり、そのスペースに端部構造部材を設置して建物の構造体と一体化させた後、外周部の天井を復旧します。続いて、グリッド材を約1.8~2.0m間隔で格子状に天井面にビス留めしていき、各鋼材と構造部材を緊結します。この手順を繰り返し、既存吊り天井の下面全体にグリッド枠を張り巡らします。

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