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減衰性能が切り替わる可変減衰型「デュアルフィットダンパー」を開発

~一つのダンパーで中小地震から巨大地震にまで対応~

  • 耐震

2017.11.15

清水建設(株)<社長 井上和幸>はこのほど、カヤバシステムマシナリー(株)<社長 廣門茂喜>と共同で、大地震時に免震ビルの揺れ幅に応じて減衰性能が自動的に切り替わる可変減衰型「デュアルフィットダンパー」を開発、併せてその性能を認証する国土交通大臣認定を取得しました。適用第一号案件は、今夏に横浜市みなとみらい21-54街区で着工した当社開発の大型免震オフィスビルとなります。

南海トラフを震源とする巨大地震が想定される中、長周期地震動対策が急務になっています。阪神大震災以後、多くの免震ビルが建設されていますが、免震ビルは固有周期が長いため、長周期地震動と共振すると積層ゴム(免震装置)が大きく変形し、ビルが免震ピットの擁壁へ衝突するおそれがあります。免震ビルの揺れを減衰させるオイルダンパーの設置台数を増やせば積層ゴムの変形を抑制できますが、逆に発生頻度の高い中小地震に積層ゴムの変形を過剰に抑制してしまい免震効果を損なうという問題があります。そこで両社は、免震ビルの揺れ幅に応じて減衰性能が自動的に切り替わる、完全パッシブ型でメンテナンスフリーのデュアルフィットダンパーを共同開発しました。

オイルダンパーの原理は、オイルを内蔵したシリンダー内のピストンにロッドを介してビルの揺れを伝え、ピストンの動きを油圧抵抗により抑制するというものです。抵抗値はピストンを貫通する孔に設けるバルブ (減衰弁)により調整します。

デュアルフィットダンパーでは、従来の免震用オイルダンパーをベースに、ピストンを貫通する追加孔と追加孔を貫き軸方向に伸びる切替ロッドを新たに加えます。切替ロッドの径は中央部が細く、両端部が太いため、ビルの揺れ幅が小さい中小地震時には追加孔と切替ロッドの隙間を油が通り抜けるので小さな油圧抵抗しか生じませんが、揺れ幅が大きくなる巨大地震時には追加孔を切替ロッドの両端部が塞ぐため油圧抵抗が高くなります。このダンパーを採用することで、中小地震時、巨大地震時を問わず所定の免震効果を発揮し、かつ免震ピット擁壁に衝突しない免震ビルの計画が可能になります。適用第一号案件では、免震ピットにデュアルフィットダンパー20台、通常のオイルダンパー40台を設置し、今後予測される巨大地震に備えます。

国土交通省は今年の4月から長周期地震動に対し、新築の超高層建築物(高さ60m以上の建築物、地上4階建て以上の免震建築物)については、対策を検討するよう大臣認定の運用を強化、また、既存の超高層建築物については、自主的な検証や補強等の対策を行うことを求めています。これに対し、デュアルフィットダンパーは新築、既存を問わず様々な条件に対応可能な切替え変位のラインナップを用意しています。当社は今後、免震ビルの新築、改修案件に対して、デュアルフィットダンパーの採用を積極的に提案していく考えです。

以上

≪参 考≫

デュアルフィットダンパーの概念図

横浜みなとみらい21-54街区工事概要と完成予想パース

名  称 (仮称)MM21-54街区プロジェクト
所在地 横浜市西区みなとみらい五丁目1番16 他
(JR横浜駅徒歩7分、みなとみらい線新高島駅直上)
敷地面積 13,503.78m2
用  途 事務所、店舗、駐車場
構  造 鉄骨造(免震構造)
規  模 19階
延床面積 102,000m2
事業主 清水建設(株)
設計施工 清水建設(株)

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