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「ダイナミックスクリュー」が制振ダンパー初の日本建築センター評定を取得

~設計手法を標準化、低層から超高層用までラインアップ~

  • 耐震

2017.10.16

清水建設(株)<社長 井上和幸>はこのほど、先に共同開発し、すでに13件の適用実績がある長周期地震動対応の高性能制振ダンパー「ダイナミックスクリュー」について、その制振性能とそれを用いた建物の耐震設計手法の信頼性を認証する評定を日本建築センターから取得しました。評定取得により、ダイナミックスクリューを用いた建築物の構造性能評価や建築確認に際して、同ダンパーに係る部分の設計審査が簡素化されるため、審査完了までの設計期間を短縮できます。なお、同評定が耐震設計手法を含めて制振ダンパーに付与されたのは今回が初めてです。

ダイナミックスクリューは、柱・梁フレームの中に設置する制振装置です。特徴は、地震時の建物の揺れのエネルギーを錘の回転運動に置換して吸収することであり、錘の回転運動により錘の自重の4500~7000倍の重量に匹敵する力(慣性質量効果)を発揮し、建物の揺れを低減します。通常、建物の揺れの周期に同調させた錘を用いて建物の揺れを抑える同調系の制振機構においては、理論上は建物重量の3%程度の錘が必要とされています。ダイナミックスクリューは、上記の慣性質量効果を利用することにより、理論上必要とされる1/4500~1/7000の錘重量で同様の効果を実現します。

評定取得に当たっては、2500t、4000t、6500tの回転慣性質量が作用する3タイプについて、装置のサイズや性能を規定し、標準化を図りました。1年近くに及んだ各タイプの性能実証実験の結果に基づいて構造性能を定式化し、建物の揺れに応じた動き(動的挙動)を精緻に表現できる解析モデルを構築するとともに、装置を適用する建物の合理的な耐震設計手法を確立しました。こうした解析モデルや設計手法を活用することで、低層から超高層にいたるまで建物の構造特性を踏まえて最適なタイプの装置を選択でき、かつニーズに応じて最適な制震効果を発揮する建物を効率的に設計できます。また、この標準化により、ダンパーを個別設計する場合に比べ製作費を30%程度低減できます。

なお、ダイナミックスクリューの14件目の適用物件が近く着工します。東日本旅客鉄道㈱が港区竹芝地区に建設する26階建ての超高層ビル「竹芝ウォーターフロント開発計画高層棟」です。このビルでは、2次モードと呼ばれる“く”の字を描くような建物の揺れを、4階に設置したダイナミックスクリュー6,500tタイプ6台で効果的に制御します。

当社は今後、ダイナミックスクリューや同じく長周期地震動対応で屋上階設置型のシミズ・スイングマスダンパー、さらには両社の組み合わせにより、最適な制振ビルを提案し、超高層ビルの新築・改修工事の受注を目指します。

以上

≪参 考≫

ダイナミックスクリューの概念図

地震による柱・梁フレームの揺れ(変形)を装置に伝え、錘の回転運動に置換して、大きな慣性質量効果を発揮。ボールネジとボールナットが水平方向の揺れを回転運動に変換する。

竹芝ウォーターフロント開発計画高層棟の概要

発注者 東日本旅客鉄道(株)
計画地 東京都港区海岸1丁目22-1他
規 模 地下2階、地上26階
高さ 約122m
延床面積 約65,700m2
構 造 S造、一部RC造及びSRC造
設計者 (株)ジェイアール東日本建築設計事務所
構造設計協力‐清水建設(株)一級建築士事務所
施工者 清水建設(株)

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