浅草・下町のシンボル・浅草寺五重塔の相輪が復活

~終盤にさしかかった五重塔外部改修工事~

  • 建築
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2017.04.13

清水建設(株)<社長 井上和幸>が宗教法人 浅草寺から受注し、昨年5月に着手した五重塔外部改修工事において、4月13日、五重塔を特徴づける塔頂部・相輪の復旧工事が行われました。早朝から相輪を構成する錺(装飾)金物が順に大型クレーンで揚重され、夕方までに相輪の復旧が終了しました。

浅草寺五重塔は、当社の施工により1973(昭和48)年に竣工した、高さ52.65m(軒高32.8m)の鉄筋コンクリート造建物です。築後40年以上が経過し、外壁塗装や屋根が劣化していたこと、東日本大震災により五重塔を特徴づける高さ15mの相輪が破損したことなどから、改修工事が計画されました。主な改修内容は、相輪の改修のほか、屋根部1,544m2のチタン瓦への葺き替え、劣化した外壁塗装5,300m2の塗替えなどです。

従前の相輪は、東日本大震災により最上部の宝珠が落下して破損、相輪の骨組である芯柱が曲がったことに加え、錺金物の老朽化が進んでいたことから、相輪全体を昨年7月に一旦撤去。そのうえで、補修・補強を施しました。具体的には、芯柱および落下破損部、老朽化の著しい水煙(錺金物の一部)は新規製作するとともに、老朽化した錺金物は錆止塗装のうえ金色のウレタン塗装を施し、クリアのフッ素樹脂を塗布して仕上げました。また芯柱の柱脚部の補強も行いました。

こうした補修・補強を経て、4月12日に高さ15mの鉄骨製の芯柱を五重塔の塔頂部に設置、13日の朝から錺金物の復旧に取り掛かりました。錺金物は28分割されており、リング状の宝輪(9輪)の径は約2~2.5m、錺金物の全体重量は約5tです。分割された錺金物を芯柱に積み上げるように設置していきました。

現場の今後の予定は、来週にも五重塔を覆う外部足場の撤去に取り掛かり、ゴールデンウィーク前までに過半を撤去し、5月末には撤去を終える予定です。その後、前庭の改修を行い、9月末の竣工を目指します。

以上

≪参考≫

浅草寺五重塔の概要

  • 所在地台東区浅草二丁目3-1
  • 規模建築面積2,622m2、延床面積6,454m2
    軒高32.8m、最高高さ52.65m(相輪約15m)
    地下1階、地上2階、塔層5層
  • 構造鉄筋コンクリート造
  • 竣工年昭和48年(当社施工)

五重塔外部改修工事の概要

  • 発注者宗教法人 浅草寺
  • 設計施工清水建設株式会社
  • 工期平成28年5月9日~29年9月30日
  • 改修仕様
    • 相輪宝珠・芯柱交換(耐震補強)、錺金物錆止措置
    • 屋根既存瓦のチタン瓦への葺き替え(葺替面積1,544m2
    • 外壁外壁塗装塗(塗装面積5,300m2)、建具フッ素塗装
      建具廻りシール打ち替え、各層回廊床ウレタン塗膜防水
    • 前庭天然石施工、全面改質アスファルト防水、等
復旧を終えた浅草寺五重塔の相輪

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