参拝者の注目を集める明治神宮南神門

~修復工事中で見えないはずの南神門が出現?~

  • 建築

2016.07.22

明治神宮の発注により、清水建設(株)<社長 井上和幸>が本年4月末に着手した御社殿群修復工事(第一期~四期)において、第一期の修復対象となる南神門を覆うメッシュシートが明治神宮を訪れる多くの参拝者の注目を集めています。現在、南神門の外周部は実際には工事用の足場で囲まれていますが、メッシュシートにプリントした実寸大の南神門の写真が工事現場を思わせない景観を演出しています。

御社殿群修復工事は、明治神宮鎮座百年記念事業の一環で計画されたものです。昭和33 (1958)年以来となる銅板屋根の葺き替えを中心に、屋根木下地修理、錺金具修繕、木部清掃・洗浄などの修復工事が行われます。工期は平成31(2019)年10月までの予定です。

プリント・メッシュシートの工事現場への展開は、観光客への配慮を目的に欧州の歴史的建造物の修復工事で使用されたことが始まりと言われています。明治神宮は多くの参拝者が訪れることに加え、境内で結婚式等の記念撮影が行われることが多いことから、当社は修復工事の計画時にプリント・メッシュシートによる景観保全を提案し、採用に至りました。

南神門の両側の正面を覆うプリント・メッシュシートは、それぞれ幅20m×高さ14mです。プリント・メッシュシートの製作方法は、最初に南神門の外観写真を被写体との距離・アングルを変えながら撮影し、実寸大に拡大して眺めても違和感がないように写真データをデジタル処理・合成します。続いて、メッシュシートの基本モジュール(縦5.1m×幅1.8m)に外観の合成写真を分割してプリント。最終的には、足場の外面に張り巡らせたワイヤーに全45枚のモジュールを順に緊結していくことで南神門の外観が再現されます。

南神門をプリント・メッシュシートで覆っている期間は5月20日から9月末までです。二期工事においても、足場により外観が隠れる社殿については、修復工事期間中、プリント・メッシュシートで覆い境内の景観を維持します。計画では、外拝殿は平成29(2017)年2月~12月、東神門は平成29(2017)年2月~5月、西神門は平成29(2017)年4月~9月の間を予定しています。

以上

≪参 考≫

工事概要

  • 工事名明治神宮御社殿群修復工事(第一期~四期)
  • 場所渋谷区代々木神園町1-1
  • 発注者宗教法人明治神宮
  • 施 行 者清水建設(株)
  • 工期平成28(2016)年5月~平成31(2019)年10月
  • 工事内容屋根銅板葺替、屋根木下地修理、錺金具修理、木部清掃・洗い、垂木ほか小口塗装、電気設備更新、避雷針設備更新、防災設備更新、御仮殿新築・解体(東日本大震災の被災地へ移築予定)
  • 対象社殿外拝殿、内拝殿・祝詞殿、本殿、宿衛舎、回廊、神門など

南神門を覆うプリント・メッシュシートが工事現場を思わせない景観を演出。

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