タブレットで撮影した画像でコンクリートの変状把握

~画像モニタリングシステムを開発~

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  • 建築

2015.07.13

清水建設(株)<社長 宮本洋一>と(株)菱友システムズ<社長 和仁正文>はこのほど、インフラの点検・モニタリング業務の効率化を目的に、タブレットの撮影機能を使用して誰でも簡単・手軽にコンクリートのひび割れや剥落等の変状を点検できる「画像モニタリングシステム」を開発しました。撮影された画像データはインターネット経由でデータベースサーバーに送信され、専門技術者が現場に行かなくてもサーバーにアクセスして画像チェックすることで、変状の進行をモニタリングできる仕組みになっています。

過去に整備された膨大なインフラの維持管理のためには、ひび割れや剥落等の変状を効率的、かつ的確に把握する必要があります。変状把握の方法は、専門技術者による目視・打音調査、構造物に埋め込んだセンサによるひずみ測定が中心になります。ただ、専門技術者が不足していること、センサによる変状判別には基準値設定に高度な専門知識を要することから、誰でも簡単・手軽にできる調査方法が求められていました。

画像モニタリングシステムは、タブレットとモニタリング用に開発したアプリ、データベースサーバー、調査対象の変状箇所を識別するためのカメレオンコードから構成されており、インターネット接続環境下ならどこでも使用できます。使用方法はいたって簡単で、調査時に変状を見つけた際に、カメレオンコードを変状箇所の近傍に貼り付け、タブレットで変状とカメレオンコードの双方が画像に入るように撮影する、というものです。撮影画像をサーバーにアップロードすると、カメレオンコード別に画像データが蓄積されていきます。変状箇所に近づけない場合、または解像度の高い画像が必要な場合、通信機能付きズームカメラ等で画像撮影してタブレットを介してサーバーに送信できます。

モニタリングのポイントは、調査のたびに同じアングルの画像を撮影することです。このため、撮影者は変状箇所に貼り付けられたカメレオンコードをもとに撮影箇所を特定するとともに、新たに撮影した画像と前回の撮影画像をタブレット上でプレビュー比較し、同様のアングルであることが確認できたら、最新の変状撮影画像をサーバーにアップロードします。新たに発見した変状箇所については、カメレオンコードを貼り付けて画像撮影し、サーバーに送信します。

このシステムにより、誰でも簡単・手軽にインフラの点検を行えること、専門技術者はどこにいてもサーバーにアクセスして画像チェックすることで変状の進行状況を把握できることから、点検・モニタリング業務が飛躍的に効率化し、コストを1/2程度に削減できる見込みです。

両者は今後、システムの実証実験を重ねて年度内にも実用化し、技術者不足に悩む自治体や民間の管理会社への外販ならびに、インフラを日常的に使う近隣住民や宅配業者、警備会社への点検業務の委託・連携によるビジネスモデルの構築を目指します。

共同開発にあたっては、当社はシステムの全体計画、スペック作成、現場での実証実験を、菱友システムズはシステムの設計・構築を担当しました。なお、外販時点においては、タブレット使用を基本セットにしますが、タブレットに代替するウエアラブル端末バージョン、通信機能付きズームカメラ等のドローン搭載バージョンなども商品化する考えです。なお、7月14日~16日まで幕張メッセで開催される「コンクリートテクノプラザ2015」に、このシステムを出展します。

以上

≪参 考≫

1.株式会社菱友システムズ
  • 所在地東京都港区高輪2-19-13
  • 社長和仁正文
  • 資本金685百万円
  • 事業内容ビジネスシステム事業、エンジニアリングシステム事業、
    情報処理サービス事業、システム機器販売事業
2.カメレオンコード

最大8色の色配列で認識するシステムで、情報量も多く、数兆パターンの組合せがあります。
なお、カメレオンコードは株式会社シフトの登録商標です。

タブレットで変状とカメレオンコードを撮影

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