中間貯蔵事業に対応した除去土壌等輸送管理システムを構築

~パイロット輸送に適用し、安全・確実な輸送管理を実現~

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2015.07.10

清水建設(株)<社長 宮本洋一>は、(株)エジソン<社長 須永裕毅>と共同で、福島県内の除染作業で発生した除去土壌等の安全かつ確実な輸送を目的に、除去土壌等のトレーサビリティや輸送車両の運行状況を総合的に管理できる「シミズFITシステム」を構築し、このほど、当社JVが実施した除去土壌等のパイロット輸送(環境省発注)に適用しました。本システムによる監視下で、県内5市町村の仮置場から大熊町の中間貯蔵施設予定地内保管場へ約5,000m3の除去土壌等を輸送し、安全・確実な輸送管理とともにデータ処理業務の大幅な省力化を実現しました。

福島県内の除染に伴う除去土壌等の発生量は2,000万m3以上と推計されています。除去土壌等は大型土のう袋に充填され、県内各地の仮置場等に保管されています。これらを中間貯蔵施設へ輸送する際には、環境省が定めるガイドライン等に従い、輸送物のトレーサビリティ情報を確実に管理することが求められます。当社はそこで、既存の産業廃棄物トレーサビリティ管理システムや車両運行管理システムを活用し、放射能汚染物質固有の管理項目を加味した中間貯蔵事業向けの輸送管理システムを構築しました。

シミズFITシステムは、大型土のう袋の全数管理機能と、輸送車両のGPS運行管理機能を有し、大型土のう袋の仮置場からの搬出から、車両輸送、中間貯蔵施設での荷下ろし・保管に至るトレーサビリティ情報を統合データベース上で一括管理することができます。また、作業現場のニーズに応じて、電波状況が悪い地域でもGPSによる運行管理機能を維持できる不感エリア対応機能、保管場での大型土のう袋の定置状況を袋単位で把握できる定置保管管理機能を付加することも可能です。一方、作業現場での管理情報の入力作業に操作性の高いハンディターミナル端末を導入。これにより、入力ミス等による現場作業の手戻りがなくなり、従来手法と比べて作業効率が約40%向上します。

システムの使用手順は、まず、大型土のう袋のタグに付与された発生場所等の除染時データをハンディターミナル端末で読み取り、新たなタグ番号を付与した上でデータベースに登録。同時に、搬出時の当該土のう袋の線量率・重量データを入力します。その後、仮置場での搬出作業、保管場での荷下ろし・受入作業を終えるたびに、作業情報をデータベースに追加・蓄積し、除去土壌等のトレーサビリティを確保します。一方、輸送時の運行管理では、運転席に装備したスマートフォンのGPS機能を用いて、輸送車の運行状況をリアルタイムに追跡。併せて、運行ルートの交通情報や気象情報、安全運転指示等を管理者から運転手にタイムリーに発信することで、輸送の安全性を確保します。

当社は今後、中間貯蔵施設の本格運用に向けたシステム改良に取り組み、除去土壌等の大量輸送、さらには中間貯蔵施設内での土壌等の輸送、貯蔵実績管理への適用を目指します。

なお、当社は、7月15日~17日に東京・科学技術館で開催される環境放射能対策・廃棄物処理国際展「RADIEX(ラディックス)2015」に出展し、本システムのブース展示を行います。

Flex-Intelligent Transportの略

以上http://www.shimz.co.jp/news_release/2015/images/2015025_ph02.jpg

≪参 考≫

1.株式会社 エジソン
  • 所在地茨城県つくば市東新井31-13
  • 設立1994年4月
  • 代表者代表取締役 須永裕毅
  • 資本金49,950千円
  • 事業内容環境マネジメントサービス事業、環境ITソリューション事業等
2.システム概念図
3.輸送管理のプロセス

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