2015.04.13
清水建設(株)<社長 宮本洋一>はこのほど、関係会社の鉄骨ファブリケーター(鉄骨ファブ)・片山ストラテック(株)とのBIM連携により、当社が設計施工する鉄骨造建物の鉄骨製作図の作成から工場での製作管理、現場での鉄骨工事の工程・精度管理にいたる一連の作業を一貫してBIMで効率化・内製化する鉄骨エンジニアリング体制を確立しました。今年度から、この体制により、大規模物件を中心に年間累計で20万t程度の鉄骨の集中管理を目指すとともに、鉄骨製作時期の大幅な前倒しにより鉄骨の安定供給を図ります。また、片山ストラテック(株)は、当社からの鉄骨製作の発注の有無にかかわらず、鉄骨製作図の作成業務を当社から請け負います。
当社設計施工案件における従来の鉄骨製作に至るまでの作業の流れは、まず、施工部門と鉄骨製作を請負う鉄骨ファブが設計部門発行の意匠図、構造図、設備図の整合性をチェックするとともに、鉄骨梁に貫通させるスリーブの位置や径、補強方法、昇降設備や鉄骨階段、外壁、建具等を支持する金物の設置位置を検討・確定します。その上で鉄骨ファブが鉄骨製作図を作成した後、設計・施工両部門が製作図を承認し、鉄骨製作に入ります。
こうした一連の作業については、データ連動による作業の効率化とともに、最近では数か月を要する鉄骨納期を補うために鉄骨製作図の作成時期の前倒しが課題になっていました。そこで当社は片山ストラテックと共同で、構造図のBIM化から、そのデータの鉄骨製作図への展開、さらには工場での鉄骨製作や現場での鉄骨工事の管理までをBIM(鉄骨BIM)で効率化・内製化する鉄骨エンジニアリング体制を確立しました。
この体制の確立には、当社が蓄積してきたBIMに関するノウハウと鉄骨ファブとしての片山ストラテックのノウハウを融合させ、BIMに構造図の特記仕様を入力することで、BIMがスリーブの径、位置、補強方法の構造的妥当性を判断できるシステム開発に成功したことが大きく寄与しています。このシステムにより、鉄骨製作のクリティカルパスとなる鉄骨とスリーブ等の設備との取り合いの調整期間を1/10程度に短縮でき、かつ鉄骨ファブの業者選定を待たずに鉄骨製作図の作成に着手できるため、大規模物件では最大5~6カ月程度、鉄骨製作時期の前倒しが可能になります。
また、鉄骨BIMを活用することで、鉄骨の製作状況、出荷、運搬状況、現場での鉄骨建方精度の計測結果も含めた統合管理、現場からのタブレットによる出来高管理や精度管理、より経済的な鉄骨製作図の作成等が可能になります。
以上
≪参 考≫
片山ストラテック(株)の概要
- 所在地大阪府大阪市大正区南恩加島6-2-21
TEL 06-6552-1231 - 創業1917年
- 資本金1億円
- 社長石原靖弘
- 事業概要橋梁、鉄構、その他鋼構造物の設計、製作及び架設など
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