液状化を防止する改良地盤を短時間で設計

~新評価手法「シミズ改良地盤評価法」を確立~

  • 土木

2012.08.30

清水建設(株)<社長 宮本洋一>はこのほど、液状化対策として用いられる格子状や板状、ブロック状の改良地盤を短時間で手軽に設計できる「シミズ改良地盤評価法」を確立しました。この評価法を用いることで、対象地の地盤やそこで想定される地震動、さらには経済性を考慮した上で、改良体の形状や固さなどの仕様を半日程度で最適化できます。

通常、液状化する砂地盤に格子状や板状の改良体を設けて部分的に改良する場合、経済性と安全性を追求するためには、対象地盤と改良体の3次元モデルを構築して解析する必要があり、それには2~3週間を要します。そこで、シミズ改良地盤評価法では、評価用の計算式が入力されているエクセルシートに、地盤データや改良体の仕様等を入力するだけの簡単な作業で、改良体を設計できるようにしました。

評価手順は、最初に対象地の地盤調査データを入力し、地盤が液状化し始める初期せん断ひずみ量を求めます。必要なデータは、地震により地盤に作用する外力、地盤の固さや液状化抵抗力などのわずか6項目だけで、すべて地盤調査結果から得ることができます。

次に、対象地で想定される地震の加速度や継続時間、設計者が想定した改良体の形状や改良率、改良体の固さなどの仕様を追加入力すると、改良地盤の初期せん断ひずみ量を求めることができます。その値が最初に地盤データから求めた値より小さければ、改良体により液状化を防止できるということになります。設計者は、改良体の仕様を変更しながら評価を繰り返すことで、液状化を確実に防止でき、かつ最も経済的な仕様を決定します。

評価法の検討にあたっては、砂地盤の液状化に関する室内試験の結果から、地震の初期にどの程度のひずみが発生したら地盤が液状化するか、つまり液状化をもたらす初期せん断ひずみ量を地層ごとに定量化しました。これが評価法のベースになります。また、改良部分と非改良部分では、地震時に異なる挙動を示すものの、設計時には地盤全体を均質に扱う必要があります。このため、地盤全体を「均質な固さの素材」として捉えることができるように、均質化法という応用数学の理論を用いて、設計に必要な地盤の固さに関するデータが自動的に算出される仕組みを構築しました。

当社は今後、本評価手法を活用することにより、設計作業の簡素化・平準化を図るとともに、経済的な液状化対策工法をお客様に提案していく考えです。

以上

≪参 考≫

格子状・板状・ブロック状改良地盤の概念図

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