阿蘇神社楼門








施工担当者から

1850年に造営され、2016年の熊本地震で全倒壊した国の重要文化財「阿蘇神社楼門」の保存修理工事が終了しました。18年3月末までに解体、回収した約1万1000点の部材は可能な限り再利用すべく補修などを行い、再利用率は72%に達しました。
工事は、高さ22.8m、幅28m、奥行き24.5mの素屋根内で行いました。難しかったのは、従来の部材で骨組みを組み上げつつ、震度7程度の地震に耐えられるように元にはなかった耐震鉄骨を構造として納めること。楼門の文化財としての価値を棄損しないように、設計者と協議を重ねて元の部材の加工を最小限に留める対応策を探りました。
竣工を迎え、この楼門が今後、何百年もこの世に存在し続けてほしいと願っています。
発注者 | 阿蘇神社 |
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設計・監理 | 公益財団法人文化財建造物保存技術協会 |
工期 | 2019年4月〜2023年12月 |
構造・規模 | 木造 2F |
延床面積 | 130m2 |
所在地 | 熊本県阿蘇市 |


