カトリック・カノッサ修道女会

創立200周年を迎えた、カトリック・カノッサ修道女会の管区本部並びに修道院の建替計画である。
隣接した、マドレナ・カノッサ幼稚園の一部と時期を同じくして建替えを行ったため、幼稚園と修道院の空間を明確に分ちながらも、車寄せを中心に、一体性をもつ外観をつくりだした。3面を道路に囲まれた敷地形状を活かして、道路からの引きをとり、静かな祈りの場を確保しながら、光と風を感じられる建物配置としている。内部は、木質系の明るく、やさしさを感じられる空間・素材構成としている。聖堂の壁と天井を構成する細かい木リブにより音環境を作り出す吸音と反射の要素を感じさせずに包まれている印象と、祭壇背面の地窓から見える敷地内の緑、十字架上部のハイサイド窓から、やわらかく差し込む光により、修道院の聖堂らしい、あたたかく静かな空間を実現している。