インバート掘削管理システム「SP-MAPS」

3次元スキャナーとプロジェクションマッピング技術を組み合わせ、山岳トンネル底部の掘削具合を可視化

「SP-MAPS」は、3次元スキャナーとプロジェクションマッピング技術を組み合わせ、山岳トンネル底部の掘削具合を可視化するシステムです。機材の設置から掘削具合の確認まで1人の作業員で行うことが可能であり、計測から照射までに必要な時間も1分程度と、大幅な省人化・省力化を実現します。加えて、掘削具合確認のために作業員が掘削領域に立ち入る必要がないため、作業の安全性も向上します。

Scanning and Projection MAPping System。照射箇所の形状計測結果をもとに作成した画像を照射する施工管理システム

「SP-MAPS」の概要

システム概要

本システムは、3次元スキャナーとプロジェクターを一体化した形状計測・照射装置と、掘削領域に投影する画像データを生成するPC・解析ソフト、装置の位置情報を得るためのドーム型マーカー(発泡スチロール製、直径30cm)から構成されます。マーカーは掘削領域近傍の測量機器で位置出し済みの箇所に、また、形状計測・照射装置とPCは掘削領域近傍にそれぞれ設置します。

システム設置例

システムの動作

最初に、形状計測・照射装置の頂部にある3次元スキャナーが掘削領域と周辺の形状データを取得し、解析ソフトに送ります。解析ソフトは形状データからスキャナーの向きを計算するとともにマーカーを基準点として装置自身の位置情報を割り出し、位置情報を基に設計値と計測値の差異を計算して掘削の過不足に応じて色分けされた画像データを生成。画像データは形状計測・照射装置に送られ、プロジェクターからトンネル底面に照射される仕組みとなっています。

掘削の過不足については5cm単位(掘削重機のツメとほぼ同じ大きさ)で表示、装置から照射する箇所までの距離が約10mの場合、一度に照射できる範囲は約30m2(幅4m×奥行き7〜8m)です。また、計測から解析・照射までに必要な時間は1分程度です。

計測から照射までの仕組み
解析ソフトで生成した照射画像データ。設計面と計測点の距離(設計値に対する掘削の過不⾜)を5cm単位で色分けしている

従来技術との比較

  従来技術 SP-MAPS
計測時間(60m2 約60〜90分
(1断面10〜15分×6断面の場合)
約19分
(装置設置約15分+1箇所約1分×4箇所の場合)
計測に要する人数 2名以上 1名

参考:従来の掘削具合確認方法

掘削領域付近のトンネル側面(両側)に釘を打ち、その間に計測の基準となる水糸を張って、施工用定規などを用いて掘削具合を確認します。2名以上の作業員が必要となる上、1断面の確認には10〜15分かかります。また、足場が不安定な掘削箇所に立ち入る必要があり、安全確保にも気を配る必要があります。

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