超高圧ウォータージェットでアスベスト除去

リニューアル工事に伴うアスベスト除去作業の高効率化を目的に、少水量型の超高圧ウォータージェットを使ったアスベスト除去工法「シミズジェットミスト(S-Jet)工法」を開発・実用化しました。すでに首都圏の3件のリニューアル工事に適用しており、優れた除去性能を確認しています。

概要

S-Jet工法の構成機器は、新開発の水ジェットノズル「ツイストロータリーノズルヘッド」が取り付けられた「ハンドガン」及び、「超高圧ポンプユニット」と「圧力調整機器ユニット」からなります。リニューアル工事に対応にするために、構成機器はエレベータで搬送できるサイズになっています。

特徴

既存のウォータージェット工法と同等の除去効率を確保する一方、使用水量を1/3~1/10に削減したことです。これにより、使用水がアスベストにすべて吸収されて余剰水が発生しなくなるので、リニューアル工事へ適用が可能になりました。少水量で高い除去効率を確保できるのは、アスベストの硬さや付着強度に対応して、アスベストが剥がれやすい任意の角度を設定してウォータージェットを噴射できる「ツイストロータリーノズルヘッド」を開発したことによります。この開発にあたっては、超高圧ポンプメーカーの(株)スギノマシンから協力を頂きました。

S-Jet工法のメリット

  1. リニューアル工事におけるアスベストの除去効率が従来の手作業に比べ、平均で3倍、細部にいたっては10倍以上になります。これにより、従来1平米あたり10,000~45,000円(概ね1,000平米規模)かかっていた除去費用を30%程度削減できるとともに、工期も短縮できます。
  2. 噴射ジェットの射程距離は5cm程度で、噴出孔から1mも離れるとミスト状になり破壊力がなくなるため、作業の危険性ならびに隔離シート等の仮設物を毀損する可能性が著しく低下します。
  3. ノズルヘッドが先端に付いたハンドガンの反力が従来の1/3程度(100N→30N)になるため、作業負荷が軽減されます。
  4. 出隅・入隅などのアスベスト吹き付け部位、湿式耐火被覆や青石綿等の種類、接着剤や塗料の使用の有無を問わず適用できます。また、接着剤に含まれたアスベストについても、接着剤の付着強度を低下させるはく離剤を併用することで、除去することができます。
処理フローのバランス
超高圧システム(左:超高圧ポンプユニット、右:圧力調整機器ユニット)

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