ニュートラックSK(高性能被膜養生剤)
花王(株)はこのほど、コンクリートの耐久性を向上させる高性能被膜養生剤「ニュートラックSK」を共同開発、国土交通省発注の紀勢線海山トンネル工事(場所:三重県)に適用しその効果を確認しました。「ニュートラックSK」は、コンクリート表面に塗布することで、優れた乾燥収縮ひび割れ抑制効果はもとより、中性化・塩分浸透抑制、かび抵抗性といった保護効果を発揮します。
概要
コンクリート養生の目的
コンクリートを湿潤状態に保つことで初期乾燥によるひび割れを防止するとともに、水分蒸発による微細な空隙の発生を防ぎ表層部の緻密化を図ることで耐久性を高めることです。この目的で被膜養生は、トンネル工事などの覆工コンクリート施工の際に使用されることがあります。
本被膜養生剤の特徴
主成分である水分散系ポリエステルがコンクリート表面から浸潤して被膜を形成し、硬化中コンクリートの水分蒸発を抑制することです。これにより、乾燥収縮ひび割れや水分蒸発を防止し、コンクリート表面の緻密化を図ることができます。さらに被膜自体が保護層となり、鉄筋の腐食要因となる中性化や塩分の浸透を抑制することも期待できます。コストは従来の被膜養生剤と同等です。
効果検証
質量変化試験、表面透気試験、中性化促進試験、塩分浸透試験、かび抵抗性試験を実施。従来の養生剤と比較して、最大で水分逸散量を4割、コンクリート中性化深さを6割、塩化物イオン浸透深さを7割、それぞれ低減できることを確認しています。また紀勢線海山トンネル工事現場の二次覆工コンクリート約8,400m2に適用し、所定の性能を発揮しています。