覆工コンクリートの表層品質管理支援システム

本システムは、トンネル工事における覆工コンクリートの品質向上を目的に、コンクリート表層品質の図化から品質の定量的な評価に至る一連の作業を支援するものです。コンクリート表層を撮影したデジタル画像を解析することで、ひび割れや豆板(ジャンカ)等の変状を示す展開図を作成し、個々の変状の程度を短時間で評価します。

概要

本システムは、コンクリート表層を撮影するデジタルカメラと、デジタル画像を解析するソフトウェアから構成されます。ソフトウェアは、市販品を基にコンクリートの表層品質管理用にカスタマイズしたものです。
撮影から展開図の作成に要する時間は3時間程度で、従来の手書きスケッチとCADを用いた作業に比べ1/2程度で済むうえ、操作者の習熟度にかかわらず高精度な評価結果を得ることができます。
評価結果を基に、次工程以降のコンクリートの配合、型枠の残置期間、運搬・打込み・締固め・養生の方法などを調整できるため、コンクリートの品質確保に有効な技術です。

システムの操作手順

  1. 覆工コンクリートの型枠脱型後に、デジタルカメラで覆工コンクリート表層の写真を撮影します。撮影は、トンネル断面方向を7分割、トンネル延伸方向(通常1型枠10m程度)を5~6分割(約2mごと)して行い、計35~42カットの撮影は20分程度で完了します。なお、断面方向の撮影は、三脚に組み込んだ回転装置を使用して、カメラの向きを30°ずつ変えながら行います。
  2. ソフトウェアは、撮影した画像データを基に、画像の配列、歪みの補正から画像接合、変状抽出、展開図の作成に至る一連の作業を自動で行います。本システムでは、7種類の変状表面[気泡(あばた)、豆板(ジャンカ)、はく離、ひび割れ、コールドジョイント、のろ漏れ、砂すじ]を抽出し、5段階で評価します。
覆工コンクリート表層品質の展開図
覆工コンクリート表層品質の展開図(イメージ)

関連情報

ニュースリリース

このページに関するお問い合わせはこちら