音源追跡型騒音低減システム
人間の耳の機能をヒントにした音感センサにより、ダンプトラックの位置を把握してダンプトラックが発する不快な低音域騒音を効果的に低減するANC(Active Noise Control)システムです。
システム構成機器は軽量で防音壁上に設置することができ、制御システムがダンプトラックが発する低音域騒音を分析し、低音域騒音を打ち消す逆位相音を発することで、低音域騒音を低減します。本システムを活用することにより、低音域騒音を最大で10dB低減できます。この減衰効果は音源までの距離が実際の距離の約3倍になることを意味しています。
概要
音源追跡型騒音低減システムでは、ダンプトラックが家屋前を通過する時に、タイミング良く低音域騒音を打ち消す逆位相音を発します。逆位相音は、低音域騒音が描く波紋(正位相音)と正反対の波紋を描く音(逆位相音)のことで、双方が重なると互いに打ち消し合って減衰します。
- システム構成
ダンプトラックが発する低音域騒音を2本のセンサマイクで収集する音感センサ、収集した低音域騒音を分析し、騒音低減効果が最も高い逆位相音とダンプトラックの位置を瞬時に算出する独自のソフトウェア、逆位相音を発するスピーカーから構成されます。音感センサは、人間の聴覚のような機能を備えており、ダンプトラックが発する低音域騒音が一対のセンサマイクに到達するわずかな時間差から、その進行方向と位置を特定します。この機能により、システムはダンプトラックが家屋前を通過し始める直前にスピーカーをオンにして逆位相音を発し、通過と同時にオフにします。 - システム構成機器
防音壁上に容易に設置できるサイズにユニット化しています。1ユニットは幅150cm、高さ25cm、奥行25cm、質量25kg程度の横置きのボックスで、スピーカー4個とセンサマイク1本を組み込んでいます。音感センサが2本のセンサマイクを使用することから、2ユニットで1セットになります。家屋の間口は概ね10m程度であり、防音壁上に2セット(4ユニット)設置すれば十分な効果を発揮します。1家屋あたりの設置費用は200万円程度です。

実績・実例
- 与布土ダム建設工事現場