A&S土性改善工法(地盤沈下対策)

「A&S土性改善工法」は、軟弱粘性土地盤の新たな地盤沈下対策工法として、地盤内の地下水の吸引(Absorption)・排出と沈下(Subsidence)を効率的に促進させる工法です。アサヒテクノの特許工法・スーパーウェルポイント工法に加えて、排水効果を高める二つの技術を組み合わせることにより、軟弱粘性土地盤の沈下対策を最大化することに成功しました。
当社施工中の造成工事で一部適用しており、強度の増加により地盤改良後の沈下が抑制され、構造物やインフラ施設を建設できるレベルに改善されました。また、所定の改良効果を発揮するのに要した工期は約3カ月、載荷重工法比で5割減となっています。

概要

本システムでは複数の対策技術をひとつの工法にまとめてシステム化することにより、地盤沈下対策効果の最大化を図ります。最大1,000m2を一区画として施工を行い、層厚50m程度の軟弱粘性土地盤まで対応可能です。
ベースとなる技術にはアサヒテクノの特許工法・スーパーウェルポイント工法(SWP工法)を活用しています。SWP工法は地下水位低下工法の一つで、空気を通さずに水だけを吸引する特殊スクリーンを巻きつけたケーシングを井戸内に設置し、ケーシング内を減圧することで、強制的に地下水を吸引・排出するものです。
SWP工法のケーシングに加え、固定式と移動式の吸・送気管を最適な位置に配置、地盤に対し吸気、送気することで水みちを形成して地盤内の地下水の排水を促すとともに、盛土により荷重載荷を行い沈下促進を図ります。

施工手順

  1. 区画中央部に直径500mm程度のSWP工法の井戸を掘削してケーシングを設置し、地下水の吸引・排出を行います。
  2. 区画の外周部に固定式の吸・送気管(φ40mm)を区画形状や面積に応じて複数本設置、区画中心部の井戸の周囲に移動式の吸・送気管を等間隔に同じく複数本設置します。盛土は着工後なるべく早い時期に行います。

地盤への吸気・送気は10日間程度を1サイクルとして交互に行い、移動式の吸・送気管は順次、区画の中心部から外側へ移設して行きます。吸・送気により地盤内に水みちができるので地下水の吸引効率が向上します。また、地下水の排水が進むと土粒子間に空隙が生じるので、盛土の荷重により沈下が促進されます。

A&S土性改善工法(概要図)
A&S土性改善工法(概要図)

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