グリーンマウンド(津波対策造成)

津波被害の軽減を目的に、ローテク・ローコストの対策で津波エネルギーを吸収し、かつ地域住民の避難場所を確保できる都市システム「グリーンマウンド」を開発します。

概要

グリーンマウンドとは

環境に優しい緑の丘を利用した耐津波型の都市システムで、海岸線のグリーンベルト内等にちどりに配置する「消波型マウンド」と津波被害の可能性がある居住域に一定間隔で配置する「避難型マウンド」から構成されます。

マウンドの形は、平面的にも立体的にも最も津波と正対しない円錐台にします。東日本大震災でも、円錐台形の小さな丘が津波をいなし、避難場所になった事例が報告されています。設置場所や期待する津波エネルギーの吸収効果によりマウンドの規模は異なりますが、ベースとなる規模は小型マウンドで底部と頂部の直径がそれぞれ50mと10m、大規模マウンドがそれぞれ110mと50m、頂部の高さは前者が10m、後者が15mです。

構成材料

表層の0.3mを木材チップ、その下層の0.5~1mを津波堆積物や浚渫土、その内側の土台を石やコンクリート塊とします。

津波の遡上抑制効果

消波型マウンドの数値シミュレーションにより確認しています。
例えば、地盤勾配1/100の沿岸部に11mの高さの津波が到来することを想定したケースでは、マウンドが無いと海岸線から1,750mの範囲まで津波が遡上しますが、海岸線に沿って高さ10m、頂部直径10m、低部直径50mのマウンドをちどり状に4列配置することで、津波の遮蔽効果やマウンド表面の植栽の摩擦効果などにより、遡上範囲を1,150mに抑制できました。
さらに、マウンドの背後地点での津波到達時間は約3分遅くなり、最大浸水深も8.5mから5mに抑制できました。

海岸線のグリーンベルト内等にちどりに配置した「消波型マウンド」と居住域に一定間隔で配置した「避難型マウンド」
海岸線のグリーンベルト内等にちどりに配置した「消波型マウンド」と居住域に一定間隔で配置した「避難型マウンド」
津波到来時には、避難型マウンドの頂部が避難場所となる。
津波到来時には、避難型マウンドの頂部が避難場所となる。
海岸線のグリーンベルト内にちどり配置した消波型マウンド(断面図)
海岸線のグリーンベルト内にちどり配置した消波型マウンド(断面図)

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