ダムコンクリートの品質管理
バイバック(バイブレータ付きバックホウ)に装備した3Dスキャナと油量センサを用いて、ダムコンクリートの締固め状況を管理するシステムです。
概要
本システムは、ダムコンクリート締固めの完了判定の指標として、打設面の平滑度とバイブレータの油圧管を流れる作動油量の2つの指標を使用します。打設面の平滑度は、運転席上部に設置した3Dスキャナで打設面の点群データを計測し、基準面との高低差が閾(しきい)値内に収まる座標点が一定割合に達することを基準とします。作動油量は、油圧管に取り付けた油量センサで締固め作業の進捗に伴い変化する油量の動きを検知し、計測データが一定値に収束し始めることを基準とします。締固め完了は、回転灯の点灯表示でオペレーターに通知します。これにより、経験の少ない重機オペレーターでも熟練者と同等の作業精度を確保することが可能になります。
メリット
締固めの完了判定の指標となる平滑度と作動油量は、センサの値から客観的に算出されます。これにより、従来は重機オペレーターの経験に委ねられていた締固めの完了判定を定量的に行うことが可能となり、ダムコンクリートの一層の品質向上を図ることができます。
また、本システムには、締固め判定機能のほかGNSSを活用した高精度位置計測システムも装備しており、施工位置情報、締固め判定結果、施工時刻のデータを一元管理することで、施工のトレーサビリティも確保できます。

