ヒ素汚染土壌浄化技術

自然由来のヒ素汚染土壌に対し、シールドの掘削泥水を土砂と泥水に分離する地上処理施設に浄化設備を組み込んだことにより、浄化設備のための用地確保を別途必要としないうえ、シールドの掘進に合わせた土壌浄化が可能な技術です。ヒ素汚染土壌として外部搬出が必要となる物量を最大9割減容化でき、処理費用を最大7割削減できる見込みです。

概要

シールド掘進が想定される土丹層を含む土壌は、ヒ素が粘土・シルトの中の微細粒分に偏在しており、さらには粒径が小さいほどヒ素濃度が高くなります。この特性を利用し、ヒ素汚染土壌を微細粒分、細粒分、粗粒分に分けて処理します。

浄化工程

  1. ヒ素抽出工程
    切羽から地上処理施設に送られてくるシールド泥水に特殊薬剤を添加し、ヒ素を掘削泥水中に強制的に抽出し、土壌粒子のヒ素濃度を全体的に低減します。泥水中の粗粒分は、ヒ素の抽出によって環境基準(0.01mg/ℓ)を満たすようになるため、サイクロンやフルイ等によって回収します。回収した粗粒分は、健全土として再利用します。
  2. 分級工程
    泥水に含まれる細粒分を分級装置により回収します。細粒分は、前工程のヒ素抽出により、粗粒分同様に環境基準を満たすようになるため、回収分は健全土として再利用します。従来の地上処理施設では、細粒分と微細粒分をまとめて回収するため、再利用できる細粒分まで汚染土壌として場外処分せざるを得なくなることから、この工程で細粒分を分級・回収します。前工程で、細粒分と粗粒分とを一括して回収しないのは、地上処理工程を大きく変えてしまうことになり、分級工程を加えるよりもコストアップ要因になるためです。
  3. 凝集沈殿処理工程
    ヒ素濃度が高い微細粒分と抽出させたヒ素が含まれる泥水を凝集沈殿処理し、高濃度のヒ素を含むスラッジはフィルタープレスによって脱水・回収のうえ、汚染土壌として管理型処分場に処理します。凝集沈殿処理後の処理水は環境基準を満たしているため、再利用が可能です。
ヒ素汚染土壌の浄化設備を組み込んだ地上処理施設
ヒ素汚染土壌の浄化設備を組み込んだ地上処理施設

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