改良径計測システム

ライト工業(株)とともに、高圧噴射撹拌工法で地中に築く地盤改良体の出来形を施工直後に三次元で見える化できる「改良径計測システム」を共同開発しました。このシステムにより、改良体の出来形径を高精度に計測できるので、品質管理を確実に行うことができます。

概要

高圧噴射撹拌工法

直径2~5mの円筒形の改良体を地中に築く地盤改良工法です。施工手順は、最初に改良体を構築するノズルを地中に差し込み、先端が所定の深さに達したら、ノズルを回転させながらその先端から圧縮空気やセメントスラリなどを高圧噴射させ、徐々にノズルを引き上げていくというものです。

改良径計測システム

一本のボーリングだけで、任意の方向、深さで改良体の出来形を計測できることです。計測方法は、施工直後の未固結状態の改良体をボーリングして計測機構内蔵のロッド管を差し込み、先端から水平方向にフィラーと呼ぶ測定用の鋼製定規を押し出し、未改良の固い地山にフィラーの先端が接触するまでの距離を計測します。計測したらフィラーをロッド管の中に引き戻します。ロッド管を回転させることで任意の方向、引き上げることで任意の深さで計測できるので、改良体の出来形を容易に見える化できます。

ロッド管には、フィラーとフィラーを押し出し・引き戻すピストンが組み込まれており、ピストンは水圧で上下させます。フィラーの先端が未固結の改良体より固い地山に接触すると、ピストンが受ける水圧が上昇するため、それをセンサーで検出しフィラーの先端が地山に接触したと判断します。押し出されたフィラーの長さは、ピストンのストローク長に一致します。

開発に当たっては、直径2.3m、改良厚さ1.5m(深度-5.6m~-7.1m)の改良体を構築し、深さ6mの地点で東西方向、南北方向の改良体径を計測。計測終了後、改良体を掘り出して実測し、結果を比較しました。その結果、本システムによる計測値はそれぞれ2.28m、2.47m、実測値は2.38m、2.40mとなり、高い精度で一致しました。

改良径計測システムの概念図

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