スマート・フロア・ファクトリー®(生産施設設計コンセプト)
生産施設の事業性を大幅に向上させるソリューションとして、生産ラインの自由な変更と省エネ・省スペースを実現する新たな設計コンセプト「シミズ スマート・フロアー・ファクトリー」の提案活動を展開します。適用第一号となったコマツ粟津工場(石川県小松市、当社設計施工)がこのほど本格稼働を開始し、関係者から高い評価を得ています。
概要
特徴
スマート・フロアーと呼ぶ床により、平屋建て2層形式を実現したことです。2層とは、生産ラインを配置するスマート・フロアーの上層とフロアーの下に全面的に設ける深さ3m程度のピット(床下部分)を意味します。ピット内には、従来1階の床上に配置していた空調機、分電盤、ケーブルラック、生産ラインのユーティリティ類を収納します。スマート・フロアーは、脱着できる矩形のPC床板で構成し、ピット内に設ける柱の頭部に渡したH型鋼製の梁上に設置します。コマツ粟津工場の場合、生産ラインを勘案して4m角のPC床版を採用しました。
最大のメリット
- 生産ラインの変更を自由に行えます。
下層を全面ピットにすることで、従来、生産ライン別に設置していた個別のユーティリティピットが不要になるためです。個別ピットは設置位置を容易に変更できないため、生産ラインの変更に際して大きな制約条件になります。

- 省エネ効果
生産施設において膨大になりがちな空調の電力使用量を20~30%削減できます。これは、ピット全体を空調ダクト、スマート・フロアーを空調空気の吹出口として利用することで可能になります。作業者の活動空間(高さ2m程度まで)に限定して調整できるので空調効率が向上します。

- 省スペース効果
従来、床上に設置していた機器・ラック類をピット内に収納することによるものです。上層でそれらの設置スペースが不要になるので、工場の床全面を生産スペースとして利用できるようになりました。

フリーアクセスピット部分に部品供給ラインも設置可能