ファブ・プランニング・シミュレーション・システム
環境に優しい半導体工場を短期間で設計施工できるシミュレーション技術を確立しました。
核となるシミュレーション技術は、配管の総延長の短縮、エルボー数の削減、干渉防止、設計施工期間の短縮を図る「ファブ・プランニング・シミュレーション・システム(FPS)」です。
概要
建築および設備(配管)の設計図と半導体装置の配管情報を統合した3次元CADです。半導体工場で稼働する各種生産装置は、メイン装置とこれをサポートする付帯装置に分かれており、メイン装置を上層、付帯装置を下層に設置する2層構造が採用されています。FPS上では、設備設計者がシミュレーション用にモデル化された各種装置を3次元の空間に配置しクリーンルーム稼働時の装置レイアウトを再現したうえで、配管スペックを参照しながら省資源化と干渉防止、高効率化を図る設備ルート計画を提案できるようにしました。
知見をシステムのプログラムに反映し、技術者の経験を問わず非常に高度で画一的な解が得られる完成度の高いシステムがFPSです。
メリット
- 配管のルート計画を最適化できるので、従来に比べ設備配管の総延長を20%程度、プロセス配管のエルボー数(曲点)を40%程度削減できます。配管総延長の削減は建設時の省資源化と工費・工期の削減、曲点の削減は生産装置の運転効率アップや歩留まり向上による生産コストの削減に貢献できます。
- 建築設計と設備設計を平行して進めることができることや、配管総延長の短縮、設備配管の干渉の事前防止により、設計施工期間を短縮できます。
- クリーンルーム内の配管が全て3次元CADの中で再現されており、施工途中もしくは竣工後に配管やダクト等の追加変更工事が生じても、現地調査等が不要なため、追加変更工事の設計期間を80%程度短縮できます。