微生物殺菌方法シミュレーション

医薬品・食品工場や医療機関に対して、薬剤散布による効果的かつ経済的な微生物の殺菌方法を提案することを目的に、薬剤の空間濃度と処理時間の最適化を図るシミュレーションシステムを開発しました。

概要

微生物管理手法

  • 薬剤散布
    医薬品・食品工場では施設内の衛生環境の維持、医療施設では院内感染の防止のために、薬剤散布により黄色ブドウ球菌や大腸菌、緑膿菌などを殺菌します。

微生物は、薬剤の空間濃度を抑えても、適正な濃度範囲内であれば、長時間かけて処理すれば死滅します。当社はそこに着目し、微生物の処理試験を重ねて、微生物ごとに、死滅させるために必要な薬剤の空間濃度と薬剤処理時間の関係を、微生物の浮遊時と付着時に分けて定量化(空間濃度〔C〕×薬剤処理時間〔T〕=CT値)しました。すでに当社は、薬剤の散布方法と空間濃度の関係をシミュレーションできるシステムを構築していることから、このシミュレーションの評価軸に新たに時間軸を加えることで、薬剤の空間濃度と処理時間の最適化を図ることができるシミュレーションシステムを完成させました。

シミュレーション

薬剤処理する空間の形状や規模、什器・備品の配置情報などをモデル化した上で、薬剤噴霧口の位置や数、それぞれの噴霧圧、噴霧量、噴霧時間などの噴霧方法に関する入力条件を変えながら、当該空間で必要なCT値を担保する経済的な噴霧方法を求めます。なお、噴霧方法に関する入力データは、多種多様なものがあり、データベース化されていないデータについては、当社技術研究所バイオクリーンルーム実験棟で実際に薬剤を散布し収集します。

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