個人位置情報を活用した個別照明・空調システム

シミズが従来から取り組んできた「個人位置情報を活用した設備制御システム」を進化させ、(1)個人位置情報の認知範囲を個々の作業範囲レベルまで局所化するとともに、(2)制御対象となる設備(照明・空調)も、対応する個人作業レベルの面積範囲にまで局所的な制御ができるように発展させました。

この新しい制御システム技術により、個人周囲で必要な作業動作範囲だけを、個人の状態に合わせて照明・空調することができ、従来のゾーン型制御では難しかった「省エネ」と「快適性」とを同時に実現することが可能となります。

概要

  • 個人位置情報システム
    従業員がRFIDを携帯することにより、LFアンテナを敷設した半径80cm面積2.5m2のエリアで、ほぼリアルタイムに、誰がその範囲にいるか認識できます。アンテナをオフィス内に付置することで、ほぼデスクレベルでの個人位置認識が可能となります。
  • 照明設備制御システム
    システム天井に、デジタル制御LED照明を配置し、それらをコントロールシステムと接続することにより、5~100%の間で自由にそれぞれの照明機器を個別に調光できます。これら照明機器をオフィス内に適切に配置することで、個人位置情報システムで得られる必要な作業範囲のみを、必要な照度で照明できます。(離席時は自動消灯)
  • 空調設備制御システム
    既開発の全面床吹出空調・フロアフローを活用した「パーソナル空調(個別床吹出し空調)」を応用し、オフィス内に適切に配置(個人席・共用部とも)した吹出口をコントロールシステムと接続することにより、個人位置情報システムで得られる必要な作業範囲のみを、必要な温度(風量)で空調できます。(ユビキタス空調)
  • 快適性の実現
    上記の仕組みを用い、個人が設定した“好み”の照明と空調の状態を、必要な作業範囲だけ、自動制御できます。

メリット

  • 省エネルギー効果
    個人位置情報による局所的な照明・空調制御を行うことで、エネルギーの供給・消費が個人の作業範囲内だけに局所的に限定されるため、執務エリア(オフィス)内での在席率に応じた省エネルギーが可能となります。例えば在席率30%程度のオフィスであれば、照明では従来の3分の1程度(理論試算値)に照明電力を削減できます。
  • 快適性の実現
    執務者個人(一人ひとり)が設定した値(照度・温度)となるような照明・空調制御を行うことにより、論理的には個人にとって満足な環境を、その人に周囲には提供可能となります。その結果、照度や温度に関する不満はなくなり、従来オフィスよりも満足度は向上すると期待されます。(実験では、自席の満足度が温熱環境33%、光環境25%向上しました。)

実績・実例

  • 清水建設技術研究所

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