輻射空調の冷温水管をスプリンクラー配管として使用

輻射空調採用ビルの建設時における環境負荷低減を目的に、スプリンクラー配管を空調用冷温水管に兼用する空調配管兼用スプリンクラーシステムを開発、京橋本社ビルに初適用します。消防法が2004年に性能規定化され、従来の法規制に捉われない新技術の実用化が期待されていた中、空調配管とスプリンクラーの兼用システムとしては京橋本社ビルへの適用が第一号の総務大臣認定となりました。

概要

天井内やパイプシャフト内を輻射空調用の冷温水管と平行して走るスプリンクラー配管に着目、両者を兼用する技術を開発したものです。京橋本社ビルでは、天井内を走るスプリンクラー配管と輻射空調用の冷温水配管の横主管を兼用します。これにより、使用配管重量を50%超削減できます。具体的には配管重量を1フロア当たり約3t、全館で約50t削減できます。これをCO2排出量に換算すると150tとなり、建設時の環境負荷の低減に大きく貢献することができます。

配管の兼用により、スプリンクラーの信頼性が従来に増して向上します。その理由は、輻射空調が効いていることが配管内を冷温水が循環していること、つまりスプリンクラーに確実に水を供給できる証しになるからです。逆に輻射空調の効きが悪くなることは、冷温水の循環に何らかの問題が発生していることになるので、それに対応することがスプリンクラーのメンテナンスにもつながります。

上図:空調運転時の冷温水の流れ。輻射パネルに冷温水が供給されているが、スプリンクラーヘッドには供給されていない。
下図:スプリンクラー起動時は、遮断弁が自動的に閉じて輻射パネルへの冷温水の供給が止まり、スプリンクラーヘッドに消化ポンプから水が供給される。

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