高効率ヒートポンプ空調システム(地下水制御型)

国立大学法人信州大学と共に、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(略称:NEDO)の研究開発委託事業の一環で、地下水を熱源とする「地下水制御型高効率ヒートポンプ空調システム」の実証実験を信州大学工学部(長野市)で開始しました。

概要

本システムでは、取水井から汲み上げる地下水を室内温度制御用の地下水専用水冷式ヒートポンプ、および導入外気の湿度調整用のヒートポンプの熱源水として利用し、使用後は注水井から地中に還水します。

特徴

  • 地下水温度は取水時には年間を通じてほぼ一定(約14℃)ですが、ヒートポンプの熱源水として使用すると、熱交換によって夏季には使用済みの地下水温が上昇し、冬季には低下します。この還水の熱を地中の地下水の温度制御に利用することができます。
    取水と還水には、2層の帯水層を使います。このため、取水井と注水井を各2本設け、地下水流の下流側を取水井、上流側を注水井とし、夏季に使用済み地下水を還水した帯水層から冬季に取水、逆に冬季に使用済み地下水を還水した帯水層から夏季に取水します。還水した地下水の熱により、取水井では冬季は本来の水温より暖かい地下水、夏季は本来の水温より冷たい地下水を取水できることが期待されるためです。
  • 新開発の地下水専用水冷式ヒートポンプを使用することです。このヒートポンプは、空調に必要な冷温水を製造・供給するもので、地下水温度が冷房用の冷水の温度より低い期間は地下水を直接、空調の熱源として使用するフリークーリング機能を備えています。地下水温によって、フリークーリング運転、動力を使う熱源機運転、両者のハイブリッド運転の中から効率的な運転モードを自動的に選択し、省エネを図ります。
実証実験用の提案システム(地下水制御型高効率ヒートポンプシステム)
実証実験用の提案システム(地下水制御型高効率ヒートポンプシステム)

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