非構造外壁の損傷防止

大地震における鉄筋コンクリート製非構造外壁(以下、非構造外壁)の損傷を防止する対策工法を確立、実証実験により優れた損傷防止効果を確認しました。

概要

地震時の建物の揺れにより層間変形角1/200程度の変形が非構造外壁に生じる場合を想定し、一体化タイプについて顕著なひび割れの発生を防止する対策工法を、スリットタイプについてコンクリートの損傷を防止する対策工法を、それぞれ確立したものです。

一体化タイプ

ひび割れが一箇所に集中して拡大するのを防止し、かつ、残留ひび割れ幅が軽微な範囲(計算で0.3mm程度以下)になるように、X型配筋を施します。実証実験では、従来の配筋では、層間変形角1/200を経験した後の残留ひび割れ幅が最大で1.5mm程度にも達することがありましたが、対策工法を採用した場合、0.2mm程度のひび割れ幅に抑制されました。

スリットタイプ

サッシュと壁との取り合い面の足元部分をモルタルで固定しない仕様とすることで対応します。この場合の足元部分にはモルタルに代替して耐火性のあるクッション材を詰めることとします。スリットタイプの損傷原因は、躯体に固定されているサッシュと壁の取り合い面にモルタルが充填され、双方が一体化していることです。地震時にはスリットで絶縁された部分の壁が動こうとするので、モルタルで拘束されている取り合い面のうち、スリットに近い足元部分に損傷が集中的に発生します。実証実験により、層間変形角1/200の変形を作用させても、対策工法を採用したスリットタイプ壁に損傷が生じないことを確認しています。

鉄筋コンクリート非構造外壁の種類と被害パターン
鉄筋コンクリート非構造外壁の種類と被害パターン
一体化タイプ非構造外壁(方立壁)の損傷防止対策
一体化タイプ非構造外壁(方立壁)の損傷防止対策
スリットタイプ壁の建具枠取合い部コンクリートの損傷防止対策
スリットタイプ壁の建具枠取合い部コンクリートの損傷防止対策

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