OUR Achievements
子どもたちに誇れるしごと
Achievements 03

ものづくりをデジタルで進化させる

―Shimz デジタルゼネコン―

Project Outline

デジタルで進化する
ものづくりの伝統

新型コロナウイルス感染症の拡大が社会の状況を大きく変化させた昨今、業務内容、プロセスの見直しやデジタル技術を活用した事業、業務変革により、社会のニーズに応えられる体制とすることが必要となっている。また近年では、スマートシティに代表されるように、デジタルな空間やサービスを提供することが新しいまちづくりのキーコンセプトとなっている。こうした背景から、清水建設は、デジタル戦略の見直しを行い、中期デジタル戦略2020「Shimz デジタルゼネコン」を策定した。
「Shimz デジタルゼネコン」は、「ものづくりをデジタルで」「ものづくりを支えるデジタル」「デジタルな空間・サービスを提供」の三つの柱として示し、その着実な推進、実現に向け、それぞれのデジタル化コンセプトを策定している。

# 01

ロボットの活用で
労働環境を改善

三つの柱の推進、実現に向けたデジタル化コンセプトは、当社がデジタルゼネコンへの成長を遂げるための基幹事業、業務のあり方を示している。
「ものづくりをデジタルで」は、建築事業と土木事業のあり方を示したものだ。共通点はプロジェクトの上流から下流の運用にいたるまで一貫したデータ連携体制を構築し、デジタルなものづくりを目指すこと。建築の上流段階では建築設計のコンピュテーショナルデザイン、土木ではCIM(Computer Integrated Manufacturing)データで構築するサイバー空間を利用した施工計画の検討、施工段階では建築、土木ともにデジタルデータを活用した施工の管理、ロボット化、自動化、部材製作の実践、下流段階にいたっては成果物である建物やインフラの機能、性能情報のデジタルデータ化などを加速する。
すでに建築現場では多機能施工ロボ「Robo-Buddy」、柱溶接ロボット「Robo-Welder」、水平・垂直搬送ロボットなどが活用されており、今後はさらに、BIM(Building Information Modeling)データと各種管理データを連携させていく。このように、単にロボットを利用するだけでなく、現場でさまざまなデジタル技術を活用して、施工の効率化や労働環境の改善を目指していく。

# 02

デジタルで変わる
「まちづくり」

エンジニアリング事業のあり方を示した「デジタルな空間・サービスの提供」のデジタル化コンセプトは、都市、建物デジタルツインの活用によるデジタルなサービスの提供を目指すものだ。その具体化に向けて、清水建設は顧客に付加価値を提供する仕組みとして、建物OSのDX-Coreを開発。これは、建物内の建築設備やIoT デバイス、各種アプリケーションの相互連携を容易にする建物運用デジタルプラットフォーム機能を備えた基本ソフトウエアで、ビル機能を容易にアップデートすることができる。「デジタルな空間・サービスを提供する」仕組みのコア機能と言っていい。
すでに開発された大規模オフィスビル「メブクス豊洲」や清水建設本社ビルの改修工事を手始めに、都市、建物デジタルツインの構築に必要な基盤・データプラットフォームや建物のオペレーティングシステムの実装が始まっており、今後、適用案件の拡大を図って行く予定だ。
三つめの「ものづくりを支えるデジタル」。これは、従業員がいつでもどこでも安全に業務を行うことができ、建築、土木のものづくりや空間・サービスのデジタル化をはじめとするすべての業務を支援するデジタル化基盤全体のあり方を示している。
現在、電子決裁推進やプロジェクトデータベースによる情報連携、データ活用による業務効率化、RPAやワークフローを活用した内勤管理業務の自動化、効率化に向け、業務プロセスの見直しと併せて、各種業務システムやデータの連携を推進。また、これらのシステム群がすべての関係者に有効に活用されるためのインフラ基盤の構築を進めており、これとデータマネジメント基盤、業務システム基盤が、ものづくり、ひいては中期デジタル戦略を支えるデジタル化基盤を構成していくのだ。

# 03

デジタルに息づく
「匠」の心

このように、清水建設はデジタル化の進む未来を見通したビジョンを掲げ、DXを建設事業の発展につなげようとしている。その根底に流れるのは、リアルなものづくりを提供してきた210年余りの歴史と「宮大工」であった創業者・初代清水喜助から代々受け継がれてきた「匠」の心だ。
「Shimz デジタルゼネコン」は、伝統のリアルなものづくりと、デジタルのベストミックスを追求することで、日本の建設業の進むべき未来を指し示している。こうした一連のデジタル化の取り組みが評価され、清水建設は2022年6月7日、経済産業省と東京証券取引所が選定する「デジタルトランスフォーメーション銘柄 2022」に選ばれた。清水建設は今後も、デジタル戦略を積極的に展開し、デジタルゼネコンとして日本の建設業におけるDXをリードしていく。