王子ホールディングスと共同で紙コップのリサイクルを工事現場で初めて活用

2024年11月7日

清水建設は、横浜市発注の「相模湖系導水路(川井接合井から西谷浄水場)改良事業に係る導水施設整備工事(以下、相模湖系導水路工事)」において、王子ホールディングス株式会社と共同で、使用済み紙コップを回収し、ハンドタオル等にリサイクルする取り組みを開始しました。

紙コップのリサイクルの仕組み

紙コップは一般的に耐水性を持たせるため、プラスチックラミネート加工が施されています。そのため、古紙回収に出せない禁忌品扱いとされ、ほとんどは可燃ごみとして焼却されています。王子ホールディングス株式会社は、紙コップの紙とラミネートフィルムを分離し、繊維分を効率的に回収してハンドタオル等に再利用するシステムを確立しました。

相模湖系導水路工事での取り組み

相模湖系導水路工事では、従業員や作業員の業務中における飲用として、紙コップを使用しています。夏季には、熱中症対策としてスポーツドリンクなどの飲料水を配布するため、紙コップの使用量が増加し、現場事務所及び現場の合計で540個/月 程度の紙コップを廃棄していました。そこで、資源循環の観点から紙コップをリサイクルするシステムの活用に、工事現場で初めて取り組みました。(図-1)

(図-1)

紙コップを選別回収するための工夫

相模湖系導水路工事では、紙コップは一般の紙くず等の燃えるゴミと一緒に処分していました。
今回、紙コップのみを確実に選別回収するため、専用の回収BOXを設置しました。
現場事務所では、紙コップ専用と一目でわかる回収BOX設置しました。(写真-1)
現場では、現場職員が手作りの回収BOXを作製し紙コップリサイクルへの関心を高めました。(写真-2)
さらに、回収BOX付近には、リサイクルの仕組みやSDGsに対する効果を説明するポスター掲示を行い、現場職員及び協力業者の回収意識を高めました。(写真-1,2)
これらの工夫の結果、回収BOXにはほとんど異物の混入はなく、5月~7月の3か月で、約1200個以上の紙コップを選別回収できました。

写真-1
写真-2

この取り組みにより、紙コップのリサイクルを工事現場で実現するために必要な回収率の向上方法や異物混入防止のノウハウが得られました。
紙コップのリサイクルは、新たに必要とする森林資源を節約し、循環型社会への移行やネイチャーポジティブの実現に寄与できます。
当社は、相模湖系導水路工事での取り組みを他の工事現場でも広く展開し、資源循環による持続可能な社会の実現に貢献していきます。