トップメッセージ

井上 和幸

安全、品質、コスト、工程に対して
徹底的にこだわるという「原点回帰」により
「確固たるシミズブランド」を確立し、
競争力を強化します

安全、品質、コスト、工程に対して徹底的にこだわるという「原点回帰」により「確固たるシミズブランド」を確立し、競争力を強化します

株主・投資家の皆さまには、平素より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
2024年度の日本経済は、外需やインバウンド消費の回復、好調な企業業績などを受け、景気の緩やかな回復が継続しました。建設需要についても、公共投資の底堅い推移に加え、大型再開発、生産施設、データセンター等の高水準な設備投資が旺盛ですが、供給面では、建設資材やエネルギー価格、労務費をはじめとする建設コストの上昇が継続しています。

そのような状況の下、2024年度の当社グループ(連結)の売上高は、完成工事高及び開発事業等売上高が減少したことにより、1兆9,443億円となりました。利益については、開発事業等総利益が減少したものの、国内建築工事の工事採算が持ち直し、完成工事総利益が増加したことなどから、営業利益710億円、経常利益716億円、当期純利益660億円となりました。
引き続き受注判断を厳格に行う一方、価格や工期に変更が生じた際には、価格転嫁や契約変更を認めてもらえるよう、事前にお客様としっかり交渉を行う等の取り組みを徹底しており、受注時採算および手持ち工事の採算は着実に改善してきています。

この数年間、当社は大変な苦難を経験しましたが、現在では、2024年度よりスタートした中期経営計画〈2024-2026〉のもと、経営基盤の強化が着実に進んでいます。業績は回復基調が続いており、今般、その流れの中で、私が経営の舵取りを任されました。
当社の経営の基軸というものは、社長が交代したからといって変わるものではありません。私が、最初に取り組むべき課題は、中期経営計画〈2024-2026〉に基づく経営基盤の強化を更に推し進めること、また、長期ビジョン「SHIMZ VISION 2030」の実現に向けて、グループの持続的成長を揺るぎないものにすることです。そして、その出発点は、「原点回帰によるシミズブランドの確立」だと考えています。
当社の事業の大黒柱は、建設の請負事業であり、今一度、原点に立ち返り、安全、品質、コスト、工程へのこだわりを再徹底して、「確固たるシミズブランド」を確立し、当社の競争力を強化してまいります。

足元の業績は回復しつつありますが、コロナ禍前の水準までは到達できておらず、業績の本格的な回復への道のりは、まだ半ばです。今後も、シミズグループの力を結集して、持続的成長と企業価値向上を実現してまいります。

2025年5月
清水建設株式会社
取締役社長
新村達也サイン