スケートアリーナの大空間を覆う大屋根が自立

~八戸市屋内スケート場建設事業 建築工事~

  • 建築

2018.07.30

清水建設(株)<社長 井上和幸>が穂積建設工業(株)、(株)石上建設とのJVにより八戸市長根公園内で進めている「(仮称)八戸市屋内スケート場建設事業 建築工事」において、27日、施工のハイライトとなる大屋根の最終ジャッキダウン作業を実施、スケートアリーナの大空間を覆う水平投影面積約16,000m2、総重量2,300tにも及ぶ鉄骨製の大屋根が仮設支柱から切り離され、完全に自立しました。

当施設は、スピードスケートの国際大会に対応できる世界水準の屋内スケート場として計画されたもので、竣工は2019年6月、供用開始は2019年秋を予定しています。施設規模は延床面積約26,000m2で、約14,000m2のアリーナと3,000席の固定観客席を備え、アリーナ全面を活用したイベント開催時には約9,000席を確保できます。八戸市から建築工事を受注した当社JVは2016年9月の着工後、地盤改良工事、杭工事、土工事、RC躯体工事を順次進め、18年3月末に大屋根の架設工事に着手しました。

大屋根の架設工事では、ベントと呼ばれる仮設支柱で支えながら外周部から中心部に向かって鉄骨を組み立てていきました。当該敷地が高有機質土と粘土層が堆積する軟弱地盤上にあるため、仮設支柱の設置前に地盤改良を施すとともに、大屋根の架設中は鉄骨の変位量と支柱の沈下量を慎重に計測しながら、大屋根のバランスを維持してきました。

ジャッキダウン作業は、仮設支柱の上部と大屋根の間に設置している油圧ジャッキと積層の鋼板(厚さ6~16mm)を用いて行います。この作業は、仮設支柱で受けている大屋根の荷重を建物の躯体に移行させるために行うもので、大屋根のバランスが崩れないよう少しずつ降下させていく必要があります。具体的には、油圧ジャッキを加圧して屋根の荷重を鋼板からジャッキに移行させた後、最上部の鋼板を抜き取り、続く作業ではジャッキを減圧して荷重を鋼板に戻します。このステップを繰り返すことで、仮設支柱が受ける荷重を徐々に建物躯体に移し変えていきます。最終ジャッキダウン作業では、支柱44基の上部でそれぞれ10枚程度の鋼板の抜き取り作業を行い、大屋根を自立させました。

現在、建築工事の進捗率は約65%に達し、今後、内装・外装工事が本格化します。

許容誤差±2ミリの平滑性が求められる、スケートリンク底部の「製氷コンクリート工事」など、難度の高い工事が続く中、安全管理にも細心の注意を払いながら、来年6月の竣工を目指します。

以上

≪参 考≫

工事概要

工事場所 青森県八戸市大字売市興遊下2
工  期 2016年9月~2019年6月 (建築工事)
構造・階数 RC造、S造 地上3階、地下1階
延床面積 26,274m2
建築面積 23,308m2
高  さ 25.40m(天井高 約15m)
アリーナ 約14,000m2
スケートリンク:400mダブルトラック 16m幅
(A)人工芝:約33m×約42m 一面
(B)体育館長尺床:約33m×約42m 一面
ミニリンク:約16m×16m 一面
ランニングコース:幅1.55m×2レーン
固定観客席:約3,000席(アリーナ活用時 約9,000席)
発 注 者 八戸市
設計・監理 株式会社山下設計
施  工 清水・穂積・石上 特定建設工事共同企業体

ジャッキダウン作業の様子

遮ジャッキダウン作業の様子

建設中のスケート場全景(2018年7月27日撮影)

建設中のスケート場全景(2018年7月27日撮影)

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