月太陽発電 LUNA RING
エネルギーのパラダイムシフトによる
新たな持続型社会の実現を目指して
地球上の限りある資源を節約しながら使う・・・ というこれまでのパラダイムから、無限に近いクリーンエネルギーをつくり出し、潤沢なクリーンエネルギーを自由に使うという発想へのシフト。独創的なアイデアと宇宙技術の研究開発によって、それを具現化したのが「月太陽発電 ルナリング」構想です。
惑星地球は太陽の賜。永続的になくなることのない、どれだけ使っても地球環境に影響を及ぼさない、太陽の膨大なエネルギーが、未来の地球を美しくし、未来の豊かな生活をもたらします。
いつまでもこの美しい地球と人類が共存していくために・・・
清水建設からの新しい提案です。
月太陽発電ルナリングLUNA RING
月赤道上にリングのように太陽電池を敷き詰めて発電し、常に地球を向く側(地球指向面)から
地球に向けてマイクロ波レーザー光に変換してエネルギーを伝送します。
月面での大規模
太陽光発電
- ・天候の影響は受けない
- ・24時間連続発電
地球上のあらゆる地域でエネルギーとして利用
- ・全消費エネルギーを代替
- ・クリーンエネルギー社会の実現
地球にソーラーエネルギーが届くまで
❶ エネルギー変換施設
マイクロ波受電レクテナ※1
レーザー光受光施設
※1 レクティファイング・アンテナの略。マイクロ波を直接電力に変換するアンテナ
❷ 2種類の技術で地球に
エネルギーを伝送
マイクロ波伝送技術
レーザー光伝送技術
❸ エネルギー伝送施設
マイクロ波送電アンテナ
レーザー光送光施設
❹ 月赤道上に設置
月太陽電池
送電ケーブル
※2 月赤道とは? 月の重心を通り、自転軸に垂直な平面が月表面と交わる円形のライン。
月から地球へのエネルギー伝送
太陽光(太陽エネルギー)
月の赤道上には、太陽から常に安定したエネルギーが照射。
月太陽電池(ソーラーベルト)
エネルギー伝送施設(地球にエネルギーを送る施設)
月赤道に沿って設置された月太陽電池で太陽光を電気に変換。送電ケーブルによって地球指向面へと送られる。それをマイクロ波レーザー光に変換して地球にエネルギー伝送。
エネルギー変換施設(月からエネルギーを電気に変え、水素を作る施設)
全世界へ供給
地上のエネルギー変換施設では、月から送られてくるマイクロ波レーザー光を電力に変換して送電網へ。あるいは水素に変換して燃料やエネルギー貯蔵へ。こうして全人類が平等にエネルギーを利用できる世界が実現。
月資源でつくる「月太陽電池」~月発電所の建設~
月発電所は月資源から
月発電所の建設には、月にある資源を極力活用します。
月の砂は酸化物なので、地球から水素を持ち込めば「酸素」や「水」をつくることが可能です。また「セメント」ができれば水と砂・砂利を混ぜてコンクリートに。そして、太陽熱を利用し、ブロックやグラスファイバーも製造することができます。
月の砂で製造が可能なもの | |
セラミックス | コンクリート |
ガラス | 太陽電池 |
酸素 | 水 |
月発電所づくりは宇宙建設ロボットが活躍
月面建設ではロボットが主役。地球からの遠隔操作により24時間稼働が可能です。
月面作業
月面でも人間の存在は必要で、少人数のスタッフとロボットが連携して共同作業。
出典:NASA
無重力空間でユニット組立
地球から運ぶ機器ユニットは軌道上で組み立て、月面に降下させて設置。
出典:NASA
土木工事・資源採取
柔らかい月表面で、硬い深層部の掘削や整地をこなせる大型ロボット。
月赤道上に並べられた太陽電池
月発電所の施設構成
❶ 月太陽電池 : 絶え間なく太陽光発電をするため月赤道上の全周11,000km、幅数kmから最大400kmに成長する太陽電池群。
❷ 送電ケーブル : 月が地球に向いている「月の表側」にエネルギー伝送施設を配置。「月の裏側」に太陽光が当たる場合は、このケーブルで伝送施設まで送電。
❸ マイクロ波送電アンテナ : 直径20kmの送電アンテナから、地球上の受電レクテナへエネルギーを伝送。正確に送るために地球からのガイドビーコン(無線標準)使用。
❹ レーザー光送光施設 : 太陽光から高いエネルギー密度のレーザー光を生成。正確に送るために地球からのガイドビーコン使用。
❺ 月赤道上輸送ルート : 月発電所の建設やメンテナンスに必要な物質を運ぶ。搬送ルートの下に送電ケーブルを設置。
❻ 自走式太陽電池生産プラント : 月の資源から太陽電池を生産・設置しながら工場自体が移動