3D無人化施工支援システム

セシウム汚染土壌等の中間貯蔵施設内や、福島第一原子力発電所内および災害復旧等で想定される無人化施工において、従来は欠かせなかったカメラ専用車両とそのオペレーターを不要とした、低コストで高効率な無人化施工システムです。
家庭用ゲーム機に用いられる簡易な3Dスキャナに着目し、3Dスキャナがリアルタイムに処理する画像データを無線で遅滞なく伝送する技術を業界で初めて開発し、無人化施工支援システムを構築しました。
実証実験を通じて従来の無人化施工システムと同等以上の作業性能を維持しつつ、コストを25%程度削減できることを確認しています。

概要

採用した3Dスキャナーは、家庭用ゲーム機を始め様々な分野で活用が図られている簡易なもので、測量で用いる高精度で計測時間がかかる3Dスキャナーと違い、リアルタイムに物体の動きを計測するモーションキャプチャー機能に優れています。3Dスキャナーからの3次元映像データにより、奥行きの情報をリアルタイムに取得できるので、従来システムにおけるカメラ専用車両が不要となります。これに大容量データの無線伝送技術を加え、独自の無人化施工支援システムを開発いたしました。

  • システム構成
    重機両脇に搭載する3Dスキャナ2台、重機中央に搭載する2次元カメラ1台、映像情報を現場から遠隔地にあるオペレーション室のモニターに伝送する機器等から構成されます。
  • 操作方法
    オペレータは、2次元カメラの映像で現場全体の状況を認識し、3Dスキャナが処理した画像を見ながら重機を操作します。3Dスキャナは家庭用ゲーム機に用いられる簡易なものですが、作業状況をリアルタイムに三次元データとして捉えて画像化処理できます。オペレータは、簡単なマウス操作により重機の操作に必要な任意のアングルの画像をモニター画面に表示できます。

工場の建屋内で行った実証実験では、本システムを装備した重機により10cm角の角材をはじめ大小様々な形状をした木材等の把持・移動・積み込み作業を実施。その結果、従来システムと同等以上の作業性を有すること、操作に伴うオペレータのストレスが少なくなることを確認しています。

実証実験の模様
無人化施工支援システムの模式図

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