斜面崩壊検知センサ杭
プラスチックのリサイクル事業を手掛ける(株)リプロ、無線通信機器メーカーの(株)テスコムの3社はこのほど、斜面に生じる変状をリアルタイムに検知し、回転灯で崩壊リスクを見える化する「光る斜面崩壊検知センサ杭」(通称:光るセンサ杭)を共同で開発・実用化しました。現在、当社JVが愛媛県で施工中の鹿野川ダムトンネル洪水吐新設工事に初適用しています。
概要
光るセンサ杭は、LED回転灯、回転灯用の充電式乾電池、電池内蔵の無線センサ端末、プラスチック杭を一体化したものです。この杭は2パーツに分かれ、無線センサ端末と充電式乾電池を内蔵する杭本体と杭頭に搭載する回転灯からなります。全長900mmで、温度変化による影響を排除するため杭表面は断熱セラミック塗装を施しています。
設置方法
- 岩盤の場合は削孔した孔の中に杭本体の下部500mmを差し込み隙間にモルタル充填、土砂の場合は杭を打ち込みモルタルで根巻きし固定します。
- 杭本体の所定の収納部位にセンサ端末、乾電池、杭頭に回転灯を取り付けます。
設置時に無線センサ端末の電源を入れることで、すぐに計測を開始できます。設置間隔は地盤条件や傾斜具合により異なりますが、概ね20mピッチとなります。
管理値
過去の斜面崩壊の事例をもとに2°に設定しており、センサがⅩ方向とY方向の合成角で2°以上の傾斜の発生を検知すると瞬時に回転灯を点灯させる仕組みになっています。回転灯の視野角は360度で、視認距離は50mです。傾斜を検知した光るセンサ杭が点灯するので、広大な傾斜地を監視する場合に特に威力を発揮します。管理値の変更や回転灯のオン・オフはモバイル送受信機とパソコンで自在に設定できます。なお、無線センサ端末は内蔵の電池により約2年間連続稼働でき、回転灯は充電式の電池に半年に1回充電することで繰り返し使用できます。
光る斜面崩壊検知センサ杭

