SCクリーンシステム(汚染土層除去)

福島県内のセシウム汚染地域における森林除染向けに、高圧エアを使ってセシウムが浸潤している腐葉土層等を効率的、かつ限定的に除去できる「SCクリーンシステム」を開発しました。当社が福島県双葉郡広野町で実施している除染工事においてその効果を確認し、これまで約20haの作業実績があります。

概要

システム構成

このシステムは、以下の3装置から構成されます。

  • エア噴付装置
    風速200~300m/秒の高圧エアで腐葉土層をほぐす。
  • 吸引・回収装置
    ほぐされた土壌を吸引・回収する。
  • 分別装置
    回収した除去土壌を空気と分離して大型土のう袋に詰め込む。

イメージ的には、エア噴付装置と吸引・回収装置は家庭用掃除機の回転ブラシ付き吸引ヘッド、分別装置は掃除機の本体部に該当します。使用する高圧エアはコンプレッサーからホースを介して供給します。システムは2t吊りクレーン装置付き2t積みトラックで運搬可能です。

メリット

高圧エアだけでは、空隙がない鉱物土層まではほぐれることがなく、かつ植生の根は切断されずに現地に残るため、腐葉土層に限った除去が可能であり、かつ残った植生の根が鉱物土層の流亡を防止します。また、ほぐれた土壌については、残った根に左右されずにもれなく吸引・回収できるので、汚染土壌が拡散することもありません。したがって、SCクリーンシステムを活用することで、必要最小限の除去量で、元の環境を極力維持しながら、腐葉土層を削り取る場合と同等の除染効果が確実に得られることになります。

高圧エアで腐葉土層をほぐす状況(左)と土壌の吸引・回収状況
高圧エアで腐葉土層をほぐす状況(左)と土壌の吸引・回収状況
除染作業前(左)と除染後に植生の根が残っている状況
除染作業前(左)と除染後に植生の根が残っている状況

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