地下水流動シミュレーション

地下水流動解析のデータ同化技術は、逐次取得される地下水観測データを活用してシミュレーション解析に用いる水理地質構造モデル(以下、解析モデル)の修正を繰り返し、シミュレーションの予測精度の改善を図る解析技術であり、大規模地下構造物等を対象とした地下水流動評価の信頼性を向上させます。

概要

本技術は、現象の予測が難しい気象分野で発展してきた「データ同化手法」を地下水流動解析に応用することにより、実現象を精度良く再現する解析モデルを合理的に構築し、地下水流動評価の信頼性を大幅に向上させます。

高精度解析モデルの構築

  1. 水理パラメータがそれぞれ異なる数百個の解析モデルについてシミュレーションを実行します。
  2. 予測結果が実際の観測データに近づくように解析モデルの修正を行うデータ同化アルゴリズムに基づき、各モデルの水理パラメータを更新します。
  3. 1、2のプロセスを、新たな観測データが得られるたびに繰り返すことで、各モデルのパラメータが適正な値に収束していき、再現精度の高い解析モデルが構築できます。

本技術の性能をモデル実験で検証したところ、データ同化を用いない従来手法と比べて、解析誤差を約80%低減できることが分かりました。また、実際の地下構造物への適用実験では、従来の1/5程度の労力で高精度の解析モデルを構築できることが確認されました。

タブレットを使い騒音を再現する様子
地下水流動評価におけるデータ同化の活用イメージ

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