未来へつなぐプロジェクト

新技術で拓いた道が日本を活性化させる

首都圏と中京圏を結ぶ交通、物流の大動脈、東名高速道路。
1969(昭和44)年の全線開通以来、日本経済の発展を支えて続けてきたが、
慢性的な渋滞や混雑、進みつつある道路の老朽化、
地震や津波への対策などが課題となっており、
このままでは、将来の交通需要への対応も困難と予想されている。
これらへの対策として、今、新東名高速道路の整備が進められている。

新東名開通による最大のメリットは、東名とのダブルネットワークが構築されることだ。
これにより、東名の渋滞緩和はもちろん、
東名の補修・改良工事時における交通の安定性の確保、
高速道路周辺地域の産業や観光の活性化、地域間の連携強化と 交流機会の増加、
緊急時輸送路としての機能強化など、様々な効果が生まれる。

高速道路周辺の地域の人たちや、道路を利用するすべての人たちに、
安心と快適、高い利便性を提供し、経済のさらなる発展に貢献する。
その強い信念を胸に、清水建設は新東名高速道路の建設において計19の工事に取り組んでいる。

※上記写真は清水いはらインターチェンジ


工事はいずれも難航を極めることが予想された。

新東名高速道路は、東名高速道路とほぼ並行しながら、神奈川県海老名市から静岡県を経由して、愛知県豊田市へとつながる計画だ。全線開通は2020年(平成32年)の予定で、その全長は約254kmとなる。

目視による工事箇所の岩盤確認

2016年3月現在、御殿場ジャンクション〜豊田東ジャンクション間約200kmが開通している。このうち、御殿場、吉原、引佐の3か所に、東名と新東名を相互に行き来できる連絡路が設けられているのが最大の特徴。これを利用することで、渋滞がさらに緩和され、非常時や緊急時の代替ルートの確保もより確実に行えるのだ。

新東名は、津波の被害を受けないよう標高の高い山間部を通過するルートが設定されている。このため、その建設においては、大規模な断層破砕帯や急峻な山岳地帯でのトンネル工事や橋梁架設が数多くあり、いずれも難航を極めることが予想された。当社では本社、支店、技術研究所など全社の技術力を結集、これまでのノウハウを生かすとともに、新技術や新工法を開発して、それぞれの工事に挑んでいった。


新技術を駆使して難工事を成功へ導く。

今里トンネルの施工では厳しい条件が重複した。上下線それぞれ計2つのトンネルが超近接。しかも、その掘削断面積は約210m2。 これは東名にある2車線トンネルの約2.5倍という大断面だ。また、トンネル直上にある民間企業の研究施設や市道の安全性も確保しなければならない。そのため、施工にあたってはトンネル掘削の影響による地盤の沈下を10mm以内に抑制する必要があった。しかし、その実現にはもう一つの課題が立ちふさがった。施工場所は富士山から流れ出た硬い溶岩と、火山灰などの脆弱な堆積物から成る特異な地質。極端に硬いものと軟らかいものが混在している地山はとても不安定で、掘削時の安全性確保が非常に難しいのだ。 そこで、まず地層を効率的に調査する技術として「ITS(Imasato Tunnel Sounding System)」を開発、地層構成を詳細に分析した。その結果を踏まえ、超微粒子セメントの注入による地山の大規模改良を実施した。しかし、トンネルを掘る地山をこれほど大規模に事前改良するという試みは前例がなかったため、試験注入を幾度も重ねて、この現場に適した注入技術を確立。地山改良も成功させたのだった。こうした成果をはじめ、数々の課題を克服した本工事での取り組みは、後に土木学会賞の技術賞を受賞することにつながった。

今里トンネル

また、清水いはらインターチェンジの建設では、急斜面の丘陵地における切盛土工事と、最大高67mの高橋脚を含む橋台、橋脚計27基の橋梁下部工事に挑んだ。双方とも品質向上と短工期化、コスト低減が大きな課題だった。特に切盛土工事は、最大切土高54m、最大盛土高61m、盛土量460万m3という、高速道路工事としては前例がない大規模なもの。これを急速施工するために開発したのが、最先端のIT技術を駆使した「IT土工システムDREAM」だ。このシステムで、土砂の搬入から工事の完成までの一連の施工管理、徹底した品質と安全の管理を総合的に行うことで、工事を無事完遂させたのだった。

清水いはらインターチェンジに携わった関係者の数は延べ12万人。重機械7,000台、5万m3のコンクリート、1万tの鋼材(鉄筋や鋼管)を使用した。大規模かつ新技術を採用した工事ゆえに、現場を訪れた視察者、研修者、見学者は4.800人を超えた。この数字は、本工事が業界内外から非常に注目されたプロジェクトであったことを物語っている。

清水いはらインターチェンジで
急斜面に施工した橋脚
高速道路工事としては前例のない
大規模な切盛土工事

“新たな国土軸の整備に貢献している”という誇りを持って。

土木工事では、常に自然の猛威と対峙する。想定以上の硬度を持つ岩盤、硬軟が複雑に入り混じった地質、突然の集中豪雨や台風…。それらに粘り強く対応し、これまで当社が携わった工事をすべて成功裏に終えられたのには理由がある。それは、“日本の未来に不可欠な、新たな国土軸の整備に貢献している”という誇りを、工事関係者全員が共有していたからだ。

新東名は今後、東名のみならず、名神高速道路や新名神高速道路とも連動し、将来的には「新東名神高速道路」が整備される予定だ。その最初の一歩となった新東名部分開通の日、工事関係者全員がこれまでにない大きな喜びと達成感を味わっていた。そして、未開通部分の工事を進める当社関係者は、「自分たちも続くぞ」と気持ちをさらに引き締めた。

未来へつなぐプロジェクト

PAGETOP
マイページはこちら
MYPAGE
エントリーはこちら
ENTRY