財務担当役員メッセージ

山口 充穂
取締役 常務執行役員
財務担当
IR担当

事業活動を通じて創出したキャッシュを将来の成長投資と株主の皆様への還元に適切に配分し、持続的な企業価値の向上を目指します。

業績の実績と見通し

2025年度の連結売上高は、国内建築・土木工事の順調な進捗に加え、新たにM&Aにより子会社となった海外建設子会社2社の業績が反映されたことなどから、前期比5.8%増の2兆578億円となりました。営業利益は、国内建築工事や国内外の建設子会社の採算改善などにより完成工事総利益が増加したことから、前期比67.1%増の1,186億円となりました。当期純利益は、特別利益に投資有価証券売却益881億円を計上したことなどから、前期比91.8%増の1,266億円、ROEは13.8%となりました。2025年度連結業績は、中期経営計画で掲げる2026年度の業績目標を上回る水準となりましたが、これは収益力向上をはじめとする諸施策を着実に推進してきた成果であると認識しています。

2026年度連結業績予想は、売上高2兆3,100億円、営業利益は国内建築工事の採算改善により完成工事総利益が大幅に増加することから、前期比28.9%増の1,530億円で見込みます。また、清和綜合建物(株)が持分法適用関連会社となったことに伴う、負ののれん相当額を計上したこともあり、経常利益は前期比50.0%増の1,835億円、当期純利益は前期比30.7%増の1,655億円と大幅な増益の見込みとなっています。

業績(連結)

企業価値のさらなる向上に向けて

建設業界においては、防災、減災、国土強靭化の推進などを背景に公共投資は堅調な推移が見込まれますが、国際情勢の不確実性が民間設備投資に与える影響や建設コストの上昇傾向の継続に加え、人手不足の一層の進行などの懸念材料もあります。このような環境のもと、事業活動を通じて創出したキャッシュを持続的成長に向けた投資と株主の皆様への還元に適切に配分し、中長期的な企業価値向上につなげることが重要であると考えています。

成長投資においては、財務の健全性を確保しつつ、M&A、不動産投資、人財投資、DX投資、研究開発投資など将来の成長に必要な投資を積極的に実行していきます。また、取締役・執行役 員を対象とした中期業績連動型株式報酬制度の導入により、取締役などの業績向上への意欲を高めるとともに、株価の変動によるリスクとリターンを株主の皆様と共有することで、当社の持続的成長と中長期的な企業価値向上への貢献意識を一層高めていきます。こうした取り組みに加え、IR・SR活動をはじめとしたステークホルダーの皆様との継続的な対話にも力を尽くしていきます。

引き続き、「収益力の向上」「資本効率性の改善」「成長投資の促進」「株主還元の強化」の積極的な推進により、企業価値のさらなる向上を目指していきたいと考えています。

財務KPI
  1. 次期中期経営計画期間中
  2. 負ののれん発生益59億円を除いた連結配当性向は40.5%

企業価値向上に向けた施策

1 収益力の向上

中期経営計画〈2024-2026〉において2026年度の連結営業利益は1,000億円を目標としており、足元ではその目標を上回る水準を見込んでいます。建設事業を中心に、今後も有望なマーケットを的確に見極め、対応力を強化するとともに、受注時採算の改善を踏まえ採算重視の受注判断を徹底します。さらに、生産プロセス改革を推進し、品質確保、原価改善、工程管理の精度向上を図ることで、持続的な収益力の向上を実現していきます。

2 資本効率性の改善

政策保有株式の縮減目標(2026年3月末までに連結純資産の20%以下、2027年3月末までに10%以下)達成に向け、2025年度は39銘柄、1,091億円の政策保有株式を売却しました。株価の上昇もあり、2026年3月末時点では、政策保有株式残高の連結純資産に対する比率は24.4%と、前期末に比べ微減にとどまりましたが、取引先と売却について合意できた銘柄を残高から除いた場合の比率は9.1%となっています。なお、中東情勢をはじめ、経営環境は不透明さを増していることから、一部銘柄の売却については、取引先と協議のうえ、2027~2028年度にかけて行うこととしました。

売却実積

3 成長投資の促進

成長投資については、中期経営計画〈2024-2026〉における計画値3,600億円に対し、2026年3月末時点で2,350億円の実績となりました。なお、別枠としていたM&Aなどへの投資を含めると3,248億円となります。今後も事業の確実な推進により営業キャッシュフローを増加させるとともに、賃貸不動産などの売却や政策保有株式の縮減を継続し、創出したキャッシュを持続的成長に向けた投資に配分していきます。

中期経営計画

4 株主還元の強化

当社は、長期的発展の礎となる財務体質の強化と安定配当を基本方針としており、1株当たり年間20円の下限配当を設定したうえで、連結配当性向40%を目安とした株主還元を行っています。2025年度の年間配当金は前期比34円増配の72円となりました。また、自己株式100億円の取得を含めた総還元性向は46.5%となりました。引き続き積極的な株主還元を実施していきます。

中期経営計画
  1. 負ののれん発生益59億円を除いた連結配当性向は40.5%
  2. 負ののれん相当額355億円を除いた連結配当性向は40.2%

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