中間貯蔵施設向けの放射線リスクコミュニケーションツールを開発

~LEDの色別表示で線量レベルをリアルタイムに可視化~

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2014.09.22

清水建設(株)<社長 宮本洋一>はこのほど、(株)アクティオ、日本放射線エンジニアリング(株)の協力を得て、除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設向けの放射線リスクコミュニケーションツールとして、線状に配置したLED群の色別表示により線量レベルをリアルタイムに可視化する放射線モニタリングシステム「LEDシンチレーションファイバー検出器」を開発しました。

本システムは、放射線に反応して発光する光ファイバーを用いて線的に空間放射線量を測定するシンチレーションファイバー検出器、検出器のファイバーケーブル(最長50m)上に設置したLEDラインテープ、検出器が感知した放射線量の高低を当該部位のLEDで色別表示する制御システムから構成されます。

従来のシンチレーションファイバー検出器は、設置エリアの放射線量を線的かつ連続的に一括測定できるメリットがある一方、PC画面上でしか測定結果を確認できなかったため、高線量を感知しても当該部位の特定に時間を要するという課題がありました。また、エリアモニターという線量計を用いる測定方法もありますが、測定エリアが非常に限定的で、連続的な測定には不向きです。

一方、本システムは、設置エリアの線量分布を連続的かつリアルタイムに可視化できます。このため、中間貯蔵施設の管理区域や施設内部、敷地境界に設置すれば、作業員の被爆リスクを低減できるとともに、周辺住民とのリスクコミュニケーションの円滑化にも寄与できます。

当社は今後、中間貯蔵施設の事業者等に本システムの適用を提案することで、施設建設工事の受注を目指します。なお、9月24~26日に東京・科学技術館で開催される環境放射能対策・廃棄物処理国際展「RADIEX(ラディックス)2014」、10月30・31日に福島・郡山市内で開催される「RADIEX in Fukushima」において、本システムのデモンストレーションを実施します。

以上

≪参 考≫

1.システムの構成

LEDシンチレーションファイバー

2.エリアモニターと本システムの測定エリアの比較

3.中間貯蔵施設での適用例

処理施設や敷地境界での適用例
放射性廃棄物処理施設のベルトコンベア等の脇に検出器を設置することで放射線量が一目瞭然
貯蔵施設や処理施設等における放射性物質の漏洩の早期検出

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