個室ブースの空調を最適化する「床吹き出し型パーソナル空調システム」
「床吹き出し型パーソナル空調システム」はWEB会議用ブースや集中ブースの床下から供給される気流の風量と風向きを在室者が任意に調整することで、空調を利用者の好みに応じて最適化できるシステムです。新鮮な空気を身体全体にくまなく巡らせ、長時間執務しても疲労しにくい快適な執務環境を実現します。
背景
働き方が多様化する昨今、従業員一人ひとりが業務の内容や気分に合わせて働く場所を自由に選ぶワークスタイルが一般化しつつあります。これに伴い、オフィスには個人の働き方に応じた多様な執務環境が求められるようになり、WEB会議用ブースや集中ブースなど個室空間の導入ニーズが増えています。一方、こうした個室ブースは、什器が多くの割合を占める空間的な制約などから、空調された空気を部屋全体に対流させることが難しく、作業能率の低下を招く一因となっていました。
概要
OAフロアの床下から空気を供給する小型ファンと、床パネルに組み込んだ吹き出し口、床下からの気流の風量・風向きを調整するフラップ、空調操作用のタッチパネルで構成し、吹き出し口とフラップを個室ブース背面側に設置して使用します。在室者はタッチパネルから、時々の体調や好みに応じて風量、風向きを任意に選択でき、風量は25~200m3/hの範囲で8段階、風向きは固定4パターン・スイング機能3パターンの条件設定が可能です。
また、構成機器がブースのパーテーションと独立しているため、新築建物はもとより、床吹出空調方式の既存建物にも簡易に導入できます。
メリット
本空調システムが提供するブース空間の快適性は、実証試験を通じて確認した在室者の疲労軽減効果からも裏付けられています。実証試験は、大阪公立大学健康科学イノベーションセンター・水野敬特任教授兼同センター副所長と(株)総合医科学研究所の監修のもと、年齢20代から60代の男女約20名を対象に実施したもので、被験者が好みの空調環境下でパソコンへのデータ入力作業を4時間行い、入力ミスなどのエラーがどの程度軽減されるかを検証しました。その結果、一般的な空調システムと比べてエラーの発生率が30%低減することが確認できました。