ソイルセメントの強度を現場で即座に判定「CW-QUIC」

Cement/Water ratio(セメント水比), Quality Inspection of Cemented-soil

「CW-QUIC」は、従来のテストピースを用いた圧縮強度試験とは異なり、化学的手法を用いてソイルセメントの強度を判定します。また、判定作業のために特殊な設備・機器、高度な技量は必要なく、マニュアルに従って現場で誰もが1時間程度で判定することができます。

簡便な装置とマニュアルを用いて誰もが1間程度で判定可能
参考)既製杭の埋込工法におけるソイルセメント(根固め部)

根固め部とも呼ばれ、ミルク状のセメントと現場の泥水を混合・撹拌して構築する

「CW-QUIC」の概要

判定の仕組み

本技術は、ソイルセメントの強度が土質ごとにセメント水比(セメントと水の比率)と相関が高いこと、また、セメントがアルカリ性であることを利用して強度の判定を行います。

当社では原位置土を用いた配合試験を踏まえソイルセメントの強度とセメント水比の関係を数式化しており、必要な強度とソイルセメントに含まれる水の量がわかれば、強度を確保できるセメント量を求めることができます。判定に使用する式はさまざまな土質の下限値を使用しており、ソイルセメントに実際に含まれるセメント量が必要量以上であれば、強度は確保されていると判定できることになります。

そして、セメントが必要量以上含まれているかどうかの確認には、アルカリと酸の中和反応を利用します。判定用の試料に必要量のセメントをちょうど中和できる量の酸を加えた後、試料がアルカリ性を示せばセメント量は必要量以上含まれていると判定される仕組みです。

ソイルセメントの強度は、土質ごとにセメント水比と強い相関がある。土質はさまざまだが、
本技術で使用する判定式は安全側に寄せているため判定トラブルが発生しづらい
強度を確保していると判定される場合のイメージ

具体的な作業手順と判定結果

判定作業は、未固結状態のソイルセメント(約10㏄)を用い、以下の手順で行います。

  1. 採取したソイルセメントを乾燥式水分計に投入、乾燥前後の重量を比較して水分量を計測
  2. 計測した水分量と、対象とする工事でソイルセメントに求められる強度を算定表に当てはめ、判定に使用する酸の量を決定
  3. プラスチック容器(容量約100cc)に乾燥後のソイルセメント(1.00g)と所定量の酸、指示薬(アルカリ性の場合にピンク色に変色)、水を加えた混合液(計100g)をつくり、10分間隔で振り混ぜ、30分後の色調を確認

ソイルセメントに十分なセメント量が含有されている場合は、混合液がアルカリ性となるためピンクに変色し、必要な強度を確保できていると判定します。逆に、セメント量が不足している場合は酸性となるため色がつかず、強度不足と判定します。

混合液の色調に基づく強度判定(例)

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