格子状地盤改良の合理的設計手法

シミズは、地盤の液状化を防止する格子状地盤改良の設計手法を新たに開発しました。この手法は、地震時に生じる地盤の変形量と地下水圧の関係から、格子状改良体に拘束された地盤の液状化について評価するものであり、その特徴は以下のとおりです。

  • 異なる外力や地盤条件、改良地盤全体の固さの影響を定量的に評価できることから、従来の設計法と比べ信頼性が高い。東日本大震災では、入力地震動の繰返し数の多さに起因して大きな液状化被害が生じたが、このような多数回の繰返し地震動の影響も定量的に評価できます。

概要

  • 既往の液状化実験から得られた知見から、一定の液状化強度のもと、地震時初期に生じる地盤のせん断ひずみ量(初期せん断ひずみ)とその後に地盤に生じる地下水圧(過剰間隙水圧)との間に一意な関係があることを世界で初めて示しました。液状化強度は、通常行われる地盤調査(N値、細粒分含有率)により容易に算出できるため、この関係は任意の地盤条件・深度で作成することができます。
  • シミズは、均質化手法とよばれる数学手法を用いて格子状改良地盤のマクロな全体剛性を求める手法を開発・論文化しています(2007年日本建築学会構造系論文集)。この方法により、地震時に改良地盤に生じる初期せん断ひずみを簡易に計算できます。この計算結果と前述の「初期せん断ひずみと過剰間隙水圧比」の関係から、改良地盤の液状化の有無を評価できます。(2012年土木学会論文集)
格子状・板状・ブロック状改良地盤の概念図
格子状・板状・ブロック状改良地盤の概念図

メリット

  • 一般性があり、任意の「地盤条件」・「地震動の強さ」に適用可能です。
  • 改良率、改良体の剛性(固さ)などの条件を変えた計算が簡単に行えるため、地盤や建物条件に適した最適な改良仕様を短時間で提案できます。

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