VisualNETS-3D(自然換気評価)

設計初期段階において建物の自然換気性能を評価する3次元シミュレーションシステム「VisualNETS-3D」を開発・実用化しました。このシステムは、2000年に開発した2次元モデルをバージョンアップしたものです。建築物の実態にあった3次元のシミュレーションを行うことにより、一層効果的・経済的な自然換気方式の提案が可能になった結果、建設地や建築計画によって異なりますが、空調に要するエネルギーを最大20%程度削減できる見込みです。

概要

3次元のシミュレーションを行うVisualNETS-3Dは自然換気性能の解析精度を飛躍的に向上させました。開発に当たっては、3次元の解析モデルを容易に構築できるように、システムとBIMデータの連携を図ったことが大きな特徴です。

使用手順

  1. 設計者がBIMデータを利用して建物の3次元形状を入力します。
  2. 各部屋の形状、窓・換気開口の形状・仕様、空調・換気設備による給排気の位置・風量、各部屋の在室人数・時間帯、照明電力量と点灯時間、換気開口の開閉スケジュール、空調・換気設備のオン・オフスケジュール等、室内の温熱環境に影響を与える条件を入力して、解析用の3次元モデルを構築します。

気象条件

日本全国の拡張アメダス気象データや世界主要都市のEPWデータをベースに、建設地の時々刻々の気温、日射量、風向き、風速の変化などがシミュレーションに反映される仕組みになっています。

3次元モデルの構築からシミュレーションに要する時間は3時間程度です。設計者は、室内の温熱環境に影響を与える条件設定を変更しながらシミュレーションを重ねることにより、最適な自然換気計画、つまり中間期の冷房を極力、自然換気で行う建築計画を提案します。

EPWデータ
米国エネルギー省が公開している建物エネルギーシミュレーションプログラム用に整備された世界主要都市の気象データ。WEBサイトから無償でダウンロードできる。

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