平時から災害時までHub360で急性期病院の救急医療現場をシームレスに支援

~救急対応に必要な院内リソースの状況をリアルタイムに見える化~

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2026.11.04

清水建設(株)<社長 新村達也>はこのほど、地域医療の中核を担う急性期病院の収益拡大と医療サービスの質の向上を目的に、救急対応に必要な院内リソースと患者タスク(処置)の状況を見える化する業務支援システム「Hub(ハブ) 360(サンロクマル)」を(株)NTTデータの協力を得て開発、近くクラウドサービスとして提供を開始します。

Hub360は、平時・災害時を問わず急性期病院の救急対応を支援する国内初のシステムです。約4年にわたる医療現場での性能実証を経ており、すでに独立行政法人 地域医療機能推進機構 人吉医療センター(熊本県人吉市、災害拠点病院)をはじめ、複数の医療機関が導入を予定・検討しています。今後、年間の救急搬送受け入れ件数が2,500件超の急性期病院を主対象に導入を働きかけ、2030年度までに50件の受注を目指します。

高齢化の進展により救急需要が高い水準で推移することが予測されており、急性期病院の収益拡大には、救急需要の確実な取り込みと、院内リソースの余すことのない有効活用が求められます。一方、救急現場では、急患の受け入れの可否判断に必要な情報が院内に分散、その収集・集約はいまだ人手頼りで長い時間を要すため、受け入れ機会を逸する要因となっています。Hub360は迅速かつ的確な受け入れ判断を支援し、こうした阻害要因を解消することで、急患受け入れ数の増加に貢献します。

Hub360の核となる機能は、救急センターなどで急患の受け入れ可否の判断に必要な「空きベッド」「スタッフ」「医療機器・施設」といった院内リソースと、急患に対する「タスク」の状況をリアルタイムに見える化することです。これにより、受け入れ可能な患者数、各診療科の医師の対応可否や受け入れが困難な疾患情報、手術室や人工呼吸器、CTやMRIなどの使用可否、といった救急医療に必要な病院内の状況を即座に把握できるので、急患の受け入れ可否の判断が迅速化します。また、タスクの見える化により、患者の緊急度に応じた区分(トリアージ)や診療の進行状況を把握できるとともに、遅延しているタスクをアラートで注意喚起するので、救急医療サービスの質の向上にもつながります。

一方、災害時には、スタッフの安否や参集に要する時間、救急処置室内におけるトリアージ別患者数、稼働できる医師・看護師数などを見える化する災害モードにより、災害対策本部における迅速な意思決定と医療サービスの継続を支援します。発災時には医療ニーズが急増するとともに、仮に病院自体が被災しても医療継続が求められるため、スタッフには過大な負荷がかかります。近年、自然災害が激甚化・頻発化しており、平時から災害時までシームレスに活用できるHub360のようなフェーズフリーの業務支援システムが求められていました。

このように、Hub360は院内に分散しているさまざまな情報にアクセスして急患の受け入れ判断に必要な情報を見える化し、リアルタイムに共有します。スタッフは業務負担を増やすことなくシステムのメリットを享受できることから、今後、急性期病院を中心にHub360が広く普及することが期待されます。

以上

≪参 考≫

Hub360の所管部署

設計本部 プロポーザル・ソリューション推進室
ビジネスソリューション部
TEL:03-3561-1111(大代表)
e-mail:hub360-mlist@shimz.co.jp

Hub360のシステム概要図

Hub360のシステム概要図

急性期病院

病気の発症やケガの直後、あるいは状態の急激な悪化により、病状が不安定な患者に対して、集中的かつ高度な医療を提供する医療機関。主な特徴は以下のとおりです。

  • 高度な医療体制:24時間体制で救急患者を受け入れ、緊急手術、ICU(集中治療室)等での治療にも対応
  • 手厚い人員配置:重症度の高い患者に対応するため、医師や看護師を多く配置
  • 短期集中治療:早期の病状安定を目指すため、他の病床に比べて入院期間(在院日数)が比較的短い

Hub360の開発背景

  • 九州を襲った令和2年7月豪雨では、熊本県球磨地域の災害拠点病院である人吉医療センターが浸水被害を受けました。インフラや通信環境、ライフラインが断絶する中、水害発生後の2日間で平時の10倍にあたる救急搬送に対応しましたが、医療現場に大きな混乱が生じました。
  • そこで明らかになったことは、医師や看護師の出勤状況や院内の所在確認、医療機器や処置室、手術室の使用可否といった救急対応に欠かせない院内リソースのリアルタイムの状況把握の重要性です。こうしたニーズは災害時だけではなく、平時の急患対応にも当てはまります。救急隊員が救急車から病院に連絡しても、急患受入可否の判断に時間がかかることから、救急対応に支障を来すという事態が発生しています。
  • 当社は人吉医療センターと共同で水害対応のタイムライン策定に取り組むなか、救急現場のニーズを洗い直し、平時・災害時を問わずシームレスに利用可能で、電子カルテなど院内のさまざまなシステムと連携できるシステムアーキテクチャーの必要性を認識し、Hub360を開発しました。
Hub360のプロトタイプを用いて実施した人吉医療センターでの防災訓練の模様
Hub360のプロトタイプを用いて実施した人吉医療センターでの防災訓練の模様

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