海水中CO2直接回収技術の社会実装に向け、実海域での実証事業に着手

~東京ベイeSGプロジェクトに採択、実証プラントを東京湾に設置~

  • フロンティア

2026.10.06

清水建設(株)<社長 新村達也>は、海水中の二酸化炭素(CO2)を直接回収する海洋由来のCO2回収技術「DOC(Direct Ocean Capture)」について、このほど実海域での実証事業をスタートさせます。実証事業は、東京都が推進する東京ベイeSGプロジェクト「Tokyo Bay Innovation Field」の支援を受けて実施するもので、東京湾に実証プラントを設置し、実海水を用いてCO2の回収性能や長時間の連続運転における設備の安定性、処理水の環境適合性の検証など、社会実装に向けた取り組みを進めます。

DOCは、海水に溶存する無機炭素をCO2として分離・回収するものです。具体的には、取水した海水に前処理を施した後、電気透析によって、一時的に海水の性質を変化させ、海水に溶け込んだ無機炭素をCO2として取り出します。回収したCO2は濃縮して、地中貯留による恒久的な炭素除去のほか、産業用途での利用が想定されています。

当社は、2023年から国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)と共同でDOCの原理検証や要素技術の評価、導入可能性の調査などの研究開発を進めてきました。直近では、実海水を用いた各種評価をより迅速に行うため、従来のラボスケールでの試験装置を改良し、可搬式のCO2回収試験ユニットを開発しています。

今回、Tokyo Bay Innovation Fieldに採択された「海水中CO2直接回収(DOC)実証」では、東京湾に実証プラントを設置し、実海水を用いたCO2の分離・回収試験を行います。実海域でCO2の回収性能を確認するとともに、長時間の連続運転おける設備の安定性や保守性、エネルギー使用量など、実用化に向けた運転データを収集します。また、将来のカーボンクレジット化を見据え、実証データを用いて、大気からの炭素除去量を算定するなど、MRV(測定・報告・検証)の方法を整理します。

さらに、実証で得られたデータをもとに、設備の大型化・規模拡大に向けた技術的課題を整理し、経済性や既存の海水利用施設への導入可能性を評価します。回収したCO2については、建設現場などで発生するアルカリ性排水の中和への利用をはじめ、産業用途への展開可能性も検討します。こうした取り組みを通じて、海水中CO2の直接回収技術の社会実装と事業化を目指します。

以上

≪参 考≫

海水中CO2直接回収(DOC)実証

実証期間 2026年10月~2029年3月(3年間)
事業主体 清水建設(代表企業)、Green Carbon、JAMSTEC
実証内容 実海水を用いたCO2回収性能・運転安定性・放流水質の検証、炭素除去量の算定基盤構築と回収CO2の産業用途検証

海水中CO2回収システム概略図

海水中CO₂回収システム概略図

実証事業の工程計画

実証事業の工程計画

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