2026.08.28
清水建設(株)<社長 新村達也>は現在、切羽への爆薬装填作業を無人化する装薬専用機「CHARGE MASTER(チャージマスタ)」の開発を推進しており、このほど、その核となる装薬システムを製作、令和4-7年度 桑野道路長生・明谷トンネル工事へ試験適用しました。その結果、プロトタイプながら、遠隔操作でも手作業と同等の装薬性能を発揮することが確認されました。
山岳トンネル工事に発破を用いる場合、切羽に多数の装薬孔を穿孔し、その一つ一つに爆薬を装填します。掘削断面80m2前後の標準的な道路トンネルのケースでも装薬孔数が100カ所以上に及び、通常、切羽監視員の立会いの下、5名のトンネル特殊工が切羽直下で装薬作業に従事します。ただ、肌落ちリスクと隣り合わせの作業であることに変わりなく、無人化が求められていました。
当社は、山岳トンネル工事のオートメーション化を志向した次世代型トンネル構築システム「シミズ・スマート・トンネル」を構成するさまざまな要素技術の開発・現場実装を推進しており、その一環で2025年3月にCHARGE MASTERの開発に着手。最終的な開発目標は、装薬システムを搭載した専用機の実用化であり、装薬作業の無人化はもちろんですが、装薬孔の穿孔作業と装薬のタイミングを完全に分離した作業サイクルを確立し、穿孔の残留熱による爆薬の暴発リスクを排除します。
CHARGE MASTERの核となる装薬システムは、爆薬装填パイプと爆薬圧送ホースの先端を連結・一体化したものです。遠隔装薬の手順は、前作業の装薬孔の穿孔で取得した各孔の3次元位置座標データを利用して、爆薬装填パイプの先端を装薬孔に誘導し挿入します。続いて、爆薬を空気圧送してパイプ内に装填した後、装薬孔からパイプを引き抜くと一連の作業が終了します。なお、CHARGE MASTERに用いる爆薬は、従来同様、親ダイと親ダイの起爆によって誘爆させる追加爆薬の増ダイの2種類で、増ダイには湧水の影響を受けない粒状爆薬を用います。いずれも爆薬の供給装置から空気圧送されます。
7月に「令和4-7年度 桑野道路長生・明谷トンネル工事」で実施した装薬システムの試験適用では、システムを重機の2本のブーム先端に設置して遠隔操作を実施。オペレータ2名がそれぞれのブームで装薬操作を行い、計画通り、1孔あたり人手と同様に平均30秒程度で装薬できました。また、長生・明谷トンネルは湧水量が多いものの、増ダイの粒状爆薬を問題なく装薬でき、所定の発破効果が得られることも確認しました。当社は今後、装薬システムを搭載した専用機を製作し、実証施工を経て水平展開する予定です。
以上
≪参 考≫
装薬システムの実証実験の様子
CHARGE MASTERの概要図
令和4-7年度 桑野道路長生・明谷トンネル工事
| 工事場所 | 徳島県阿南市長生町柳木谷、柳西山 |
|---|---|
| 発 注 者 | 四国地方整備局 |
| 施 工 者 | 清水建設株式会社 |
| 工 期 | 2023年3月~2026年12月 |
| 工事概要 |
|
シミズ・スマート・トンネルの概念
オートメーション化技術群「ST-MASTERS」
ニュースリリースに記載している情報は、発表日現在のものです。ご覧になった時点で内容が変更になっている可能性がございますので、あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、お問い合わせください。