コンクリート自動吹付けシステム「ヘラクレス-AUTO」を現場適用

~過不足なく均質な自動吹付けを実現~

  • 土木

2026.08.06

現在、国土交通省四国地方整備局発注の一般国道55号桑野道路長生・明谷トンネル工事(徳島県阿南市)において、エレクタ一体型コンクリート自動吹付けシステム「ヘラクレス-AUTO」が優れた施工性を発揮し、コンクリート吹付け作業を自動化しています。本システムは、吹付け厚さ等の出来形をリアルタイムに可視化する「吹付けナビゲーションシステム」及び、ロボットの「ノズル自動制御システム」を融合したものです。特長は、高濃度粉じん環境下でも吹付け厚をリアルタイム計測し、ノズル制御へ施工状況をフィードバックすることにより、過不足なく均質な自動吹付けを実践できることです。

昨今、国土交通省が推進するi-Construction2.0や厚生労働省の「山岳トンネル工事の切羽における肌落ち災害防止対策に係るガイドライン」において、自動化施工技術の導入が求められています。また、建設業界では熟練技能者不足が深刻化しており、安全性と生産性の向上を両立する技術開発が急務になっています。ヘラクレス-AUTOはこうしたニーズに対応すべく、清水建設(株)<社長 新村達也>、エフティーエス(株)<社長 木村浩之>、戸田建設(株)<社長 大谷清介>、西松建設(株)<社長 細川雅一>、前田建設工業(株)<社長 前田操治>の5社が2020年4月に共同開発に着手し、実用化を進めてきたものです。

一般国道55号桑野道路長生・明谷トンネル工事は、内空断面積93.7m2、掘削延長1,001mの大断面道路トンネルで、工期は2023年3月~26年12月です。施工者の清水建設㈱は、ヘラクレス-AUTOを25年6月から現場導入し、実証施工を進めています。これまでに約250mの区間で約5,500m3のコンクリートの自動吹付けを実施しました。その結果、過不足なく所定の吹付け厚を確保できること、従来のオペレータによる手動操作に比べてサイクルタイムを約5%短縮できることを確認しています。また、切羽直近での吹付け作業がなくなり、安全性も大幅に向上しています。

実証施工によりヘラクレス-AUTOの諸性能が確認されたことから、全国の山岳トンネル現場への展開を図るべく、近くエフティーエス(株)より外販を開始する予定です。

≪参 考≫

ヘラクレス-AUTOの具体的な機能

  • ① ノズルオペレータがタブレット上で吹付けエリアを設定し、自動吹付けを開始。
  • ② ミリ波レーダ技術、モーションキャプチャ技術、機体位置計測技術により、高濃度粉じん環境下でも吹付け厚さをリアルタイムに計測。
  • ③ 吹付けの不足・余剰箇所を可視化し、自動吹付け途中でも任意に再吹付けでき、効率的な施工と高品質な出来形管理を実現。
  • ④ 独自開発したノズル誘導アルゴリズムにより、凹凸の大きい掘削面でも吹付け面との距離を一定に保ちながら施工でき、一次吹付けを含む幅広い施工条件への適用が可能。
  • ⑤ オペレータは、切羽天端から45度のライン外の安全性が確保された場所からシステム操作が可能。

一般国道55号桑野道路長生・明谷トンネル工事の様子。
モニターとタブレットにトンネルの断面図とノズルの位置が示され、吹付け作業が始まると不足・余剰吹付け個所を色分け表示する。

吹付け厚の過不足の色分け表示。厚さ不足を示す赤、橙がなくなるようにノズルが自動制御され、吹付け作業を行う。

令和4-7年度 桑野道路長生・明谷トンネル工事

工事場所 徳島県阿南市長生町柳木谷、柳西山
発 注 者 四国地方整備局
施 工 者 清水建設株式会社
工  期 2023年3月~2026年12月
工事概要 工事延長1,080m、トンネル掘削工1,001m、
内空断面積93.7m2

ヘラクレス-AUTOの受賞歴

2026年6月 建設機械施工大賞 大賞部門 優秀賞受賞
(主催者:一般財団法人 日本建設機械施工協会)

以上

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